北村さんによれば、「自分では方向音痴ではない」と思った人も、試してみたら意外と方向音痴予備軍になっていることがあるという。
「というのも、脳は筋肉と同じで、使わなければどんどん衰えていきます。パソコンやスマホで文字を打つことに慣れて、いざ漢字を手で書こうとしても思い出せないように、普段からカーナビやスマホの地図アプリにばかり頼っていると、私たちの方向感覚も退化してしまいます」
そもそも電気製品ゆえ電池が切れてしまう場合もあるし、GPSが正常に位置情報を取得しないなど、誤作動する場合もある。だからこそ、スマホ時代のいまでも方向感覚を持つことは有意義だ。
「方向音痴の問題は、迷うことそのものではなく、迷っているときに余計な時間やお金がかかり、それでストレスが生まれることです。約束の時間に遅れないように予定よりも何時間も前に家を出たり、ずっと地図とにらめっこしたり、それでも遅刻して相手を怒らせてしまったり、目的地からそう遠くないのにタクシーに乗って余計な出費につながったり…、要らぬ苦労をしているんです」
※女性セブン2020年5月21・28日号