気持ちの自立とは、すなわち“感謝”だという。
「こんな非常事態の中、みんなのために働いてくれている人にも感謝、支え合う家族や友人にも感謝です。最近、ぼくは自分の体にも感謝しています。寄る年波で少々病気をして治って初めて思ったのです。ご飯を食べながら消化してくれる胃袋に“ありがとう”。トイレでスムーズに出てくれて“ありがとう”(笑い)。すべて当たり前と思っちゃいけない」
そして究極の“愛され高齢者”のポイントは笑顔だ。
「“笑顔に勝る化粧なし”という格言がありますが、お年寄りがにっこり笑った顔は本当にいいですね。年輪が刻まれていて豊か。相手を幸せな気持ちにさせる力がある。ぼくも常日頃、こうありたいと思うけれど、つい“こんちくしょう!”と思ってしまうこともある。でもそのとき、気づけばいいと思うのです。相手を思いやり、やさしい気持ちを取り戻し、怒らないようにしましょうよ」
新型コロナウイルスの脅威で人も社会も殺伐としているいま、“愛され高齢者”になるポイントは、そのまま社会への提言にもなる。
「いまこそ、生活を大切に、愛情と助け合いが不可欠です。ラジオを通してみんなが心ひとつになれるよう、呼びかけていきたいです」
【Profile】大沢悠里さん/フリーアナウンサー。1941年東京生まれ。1964年TBSにアナウンサーとして入社。ラジオ番組を中心に『大沢悠里ののんびりワイド』などに出演。1986年には伝説の人気長寿番組『大沢悠里のゆうゆうワイド』がスタート。1991年TBS退社を経て2016年1月同番組終了を発表するも、多方面から惜しまれ同年4月から『大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版』(毎週土曜15~17時)として継続。今年2月に通算放送回数8000回を超え、現在も元気に生放送中!
※女性セブン2020年5月21・28日号