国内

外出自粛中の児童虐待 危険を感じた時の相談先は?

子供に危険が及ぶ前に

 新型コロナウイルスの感染防止のため、外出自粛を強いられる一方で、貧困世帯では、光熱費の増加や子供の自宅学習のためのドリル代などで、家計が逼迫するケースもあるという。また、外出できないストレスなどの影響もあり、DVや児童虐待の増加も指摘されている。

◆LINEで虐待相談受付も

 感染のリスクにおびえ、明日が見えない日々のなかで困窮する当事者たちが少しでも楽になる方法はあるのか。子供の貧困に詳しい跡見学園女子大学教授の鳫(がん)咲子さんは「困ったら勇気を出して声を上げてほしい」と訴える。

「自治体やNPOの一部では給食用だった食材などで昼食を提供するなど、懸命に対応するケースがあります。当事者は助けを求めることに抵抗を持たないでほしい。まずはどんな支援が受けられるか、地域の広報誌や自治体のホームページなどをチェックして、わかりづらければ電話で問い合わせください。

 SNSを活用するのも1つの方法です。私が教える大学でも、右も左もわからない新1年生がツイッターなどで『自分たちは困っている』と声を上げたことで、上級生が新入生の支援を始めました」

 母子家庭を支援するNPO「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」相談員の小森雅子さんは、相談者に「緊急小口資金」という特例貸付制度をすすめているという。

「子供の面倒を見るために仕事を休み、一時的に資金が必要になった場合などに20万円を上限に貸し付けを受けられる制度で、住まいの地区の社会福祉協議会が窓口です。すでに貸し付けのある人も無利子で借りられるなど要件が緩和されたので、苦しい人は利用して事態が収束するまで急場をしのいでほしい」(小森さん)

 虐待の場合、当事者である子供が相談できる場がある。公益財団法人「あすのば」代表理事の小河光治さんが説明する。

「例えば10代の相談窓口サイト『Mex』ではいじめや虐待からネットトラブルまでさまざまな悩みの相談に乗ってもらえます。とにかくひとりで抱え込まないことが肝心です」

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト