貧困や虐待から子供を救う窓口

 子供の前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV」の経験者で、YouTubeに『外出自粛で高まる家庭内の虐待リスク』という動画を掲載して注意喚起をしている映像作家の西坂來人さんも「1つの場所に相談してうまくいかなくても助けてくれる人はきっといる。あきらめずに相談してほしい」と声をそろえる。

「とはいえ、当事者が声を上げにくい問題でもあり、学校が休校の現在、もともとのつながりのあった近隣の人たちが頼みの綱です。毎晩のように罵声や子供の泣き声がするなど、違和感に注意してほしい」(西坂さん)

 もし、近所の子供の様子がおかしいと感じたら「189」をダイヤルしてほしい。

「189は無料の児童相談所虐待対応ダイヤルです。通告すると自治体や児童相談所が当該家庭に『何か困ったことはないですか』と尋ねます。虐待する親は何かしらの困難を抱えていることがほとんどなので、通告は支援の第一歩になります」

 もしあなたが子供を虐待してしまいそうなほど追い詰められているのなら、「児童相談所相談専用ダイヤル」(0570・783・189)を利用してほしい。

「2019年12月にできた新しいホットラインで、子育ての悩みを中心に専門家が相談に乗ってくれます。都内在住なら『子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京』というLINE相談もあります」(高祖さん)

 未曽有の事態にストレスがたまるのは決しておかしなことではない。大切なのは子供に向けないことだ。

「虐待してしまいそうになったらとにかく『叩かない』と心に決め、深呼吸したり、その場を離れてトイレなどひとりになれる場所に行くなどしてクールダウンを心がけましょう。家事育児や在宅勤務で大変ななか、“これまで通りのパフォーマンスをしなくてもいい”と自分を許し、好きな音楽をかけるなどして上手に気分転換してほしい」(高祖さん)

 あなたの行動が、子供たちを救うかもしれない。

※女性セブン2020年5月21・28日号

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