◆人と人とのつながりって悪いもんじゃない

 メンバー愛を語ると、「辰五郎も金の運はなくても、人との縁に恵まれて助けられているヤツやなって思いますよ」と照れ笑いする。

「ぼくは逆算して計画的に動くことが苦手なので、明日のことは明日考える性格も辰五郎とは似ているかもしれない。だけどいまはみなさん、そういう考え方に傾きつつあるんじゃないでしょうか。コロナの影響で何がどう変わるか予測がつかなくて、試行錯誤して動いても次の日にはすべてがひっくり返されてしまうこともある。それでも何かを模索し、目の前の現実を打破しようと考える個々のエネルギーがとても大きくなっていると感じます。明日のことは明日考える辰五郎の生き方は単なる成り行き任せではなく、生きていく上で欠かせないスキルだと思う」

 江戸の世を描く時代劇ゆえに気づくこともあったと明かす。

「最終話で描かれる借金取りの菊佐(山本耕史)との浅からぬ縁にしても、『生きるってこういう人間関係の積み重ねだよな』としみじみ思いました。恩義を重んじる江戸の人情はいなせやなぁって。いいっすよねぇ…人と人とのつながりって悪いもんじゃない」

 どたばたの旅で辰五郎たちが本物の家族のように絆を深める姿も胸を打つ。コロナ禍で殺伐とした世の中へ傾きつつあるからこそ、身の回りの大切な縁を見つめ直すきっかけともなるかもしれない。

『連続ドラマW 大江戸グレートジャーニー ~ザ・お伊勢参り~』
金なし、運なし、人徳なしの“ダメ男“辰五郎(丸山隆平)のお伊勢参りを描くロードムービー。大ヒット映画『超高速!参勤交代』原作・脚本の土橋章宏と監督の本木克英が再びタッグを組んだ、超エンターテインメント時代劇。
(6月6日夜10時から、WOWOWで放送スタート。全6回。第1話無料放送)

※女性セブン2020年6月18日号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン