クリニックばんびぃに院長で小児科医の時田章史さんも「人間は必要なビタミンDの80~90%を日光から合成している」と日光に当たる必要性を訴える。

「外出ができないなら室内でも構いません。注意してほしいのは、窓ガラスは合成に必要な紫外線を通さないということ。室内で日光に当たる場合は、必ず窓を開けてください」

 イタリアやスペインなど南欧諸国では、日差しが強いため日陰が好まれる。これも、血中のビタミンDが少ない傾向にある理由の1つといえるだろう。

 皮膚のメラニン色素は紫外線の透過を防ぐので、色白の人の方がビタミンDを生成しやすい。しかし、肌色以上に鍵となるのは「緯度」だ。新型コロナの被害が大きかったスペインやイタリアは緯度が高い。日本だと、北海道とほぼ同じだ。

「緯度が高い地域では紫外線が弱く、ビタミンDが不足してしまうので、意識的に日光に当たる必要があります。スウェーデンやフィンランドなど北欧諸国は、ビタミンD不足で骨が石灰化しにくく、骨の強度が不足してしまう『くる病』が流行した過去があり、食品に添加するなど国を挙げてビタミンD不足解消に取り組んでいます。一方で、南欧のイタリアやスペインではそうした意識が低いので、死亡率が高まった可能性があります」(井尻さん)

 ビタミンDは日光以外に、食材からも摂取できる。

「さばやまぐろなどの魚に含まれています。特にいわし、さんま、鮭などには豊富です。やや含有量は劣りますが、牛レバーやチーズ、卵黄にも含まれます」(井尻さん)

 また、きのこ類にも豊富に含まれている。

「しいたけ、きくらげなどのきのこ類は、カサの裏側を数十分ほど日光に当てるだけで、ビタミンDの量が数倍に増えます」(時田さん)

 未知のウイルスだった新型コロナも、次第に正体が暴かれ始めている。効率的に予防・対策をしていきたい。

※女性セブン2020年6月18日号

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