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電通と政党の深い結びつき その実態と歴史

電通はあんなこともこんなことも手掛けている(時事通信フォト)

電通はあんなこともこんなことも手掛けている(時事通信フォト)

 総額769億円の国の持続化給付金事業に関し、再委託された広告代理店最大手・電通が104億円を手にしたことが注目を集めている。今回の問題がなぜ国民の怒りを買っているかといえば、電通が“濡れ手に粟”で懐を潤わせている国家事業の予算が、公金で賄われているからだ。

 そもそも官公庁と電通の結びつきの強さは人脈にも現われている。今回の持続化給付金事業を巡る疑惑でも、中小企業庁の前田泰宏長官が米国で開いたパーティーに電通関係者が出席していたことが問題視されているが、“人事交流”も多岐にわたる。

 アイドルグループ「嵐」のメンバー・櫻井翔の父親として知られる、元総務事務次官の桜井俊氏は、退任後に電通グループ代表取締役副社長に就任した。一方、6月12日の野党合同ヒアリングで明らかにされたのが、電通が内閣官房に職員4人を出向させていたことだった。選挙戦略を手伝った代理店社員が内閣府などに“天上がり”し、政権の広報・宣伝活動に携わることは珍しくないという。

 政党との結びつきも深い。電通は1950年代から自民党の広報戦略に協力していたといわれる。現在に至るまで、衆院選・参院選の政党CMの撮影、スローガン策定、ポスター・リーフレットの作成など自民党の選挙戦略を引き受けてきた。

 政界とのパイプの太さで電通が関わったのが、2013年の富士山の世界文化遺産登録運動だ。元電通社員で広報コンサルタントの横山陽二氏が指摘する。

「2005年に発足したNPO『富士山を世界遺産にする国民会議』は、中曽根康弘元首相を会長に据えて、静岡県や山梨県などと連携して世界遺産登録運動を展開しました。それ以前から電通には、新入社員全員が富士山に登頂する慣例があった。世界遺産登録に際しては率先して事務局を務めた」

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