「公害問題が起きると化学が不人気になるなど、学科の人気変動は、景気や産業構造の変化を学生なりに感じ取っていることの表れでしょう。ただそうした表面的な流行と学問の価値は本来別物です。教える方としては、やはりイイ学生が入ってくれないと困るわけですよ。

 私は父親が零細工場を経営していたので、注文が入れば贅沢できるけど、なければ干上がるという、商売人としての危機感が人一倍沁みついています。なので、学科も人気がなければないで宣伝するとか、自分から動かないとエラいことになると常々思っています」

 実は本書も、退官を機にまとめた私家版高校訪問記『大学サバイバル』が原型。栃木県立真岡高校や埼玉県立春日部高校など、教え子の母校を訪ねては模擬講義や大学案内ツアーを行い、〈千葉大理系コース〉がある河合塾西千葉校では受験生の壮行会にも出向く。その姿には、「国立大の教授がここまでする?」とやはり思わずにはいられない。

「確かに昔は国立と私立で学費が10倍近く違いましたが、今は2倍程度にまで差は縮まった。進学するなら国立大しかダメと言う親も減っています。少子化で年々減る受験生の争奪に、人も金も出す私立と何も出せない国立では勝負は歴然。だから私がせっせと手弁当で行くわけですよ。言い出しっぺが実践するのは、この世の常です(笑い)」

◆交友の場を用意する「サービス」

〈大学は研究機関であってはならない〉〈学生を育てるために研究をするのであって、研究をするために学生を使ってはならない〉との氏の信条はしかし、〈研究に限界を感じた教員の発言〉云々と批判されてもきたという。

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