ヒドロキシクロロキンは世界で広く使われている(AFP=時事)

統計が示すHCQの「実績」

 世界中で、コロナウイルス感染症の治療および時に予防にHCQまたは同じくマラリア治療に使われるCQ(クロロキン)が使用されている。アジアやアフリカの貧困国では、この感染症による死亡率がアメリカより数段低い。マラリアが風土病となっている国では、それらの薬を容易に入手することができ、市民が使用している。医療水準が低く、ニューヨークの10倍もの人口密度を持つインドやフィリピンの一部の都市でさえ、死亡率はニューヨークよりずっと低かったのである。

 一方、欧米諸国はCQやHCQを準備していなかった。イタリアとスペインでは、フランスのDidier Raoult博士のもと開発され、トランプ大統領が 「大々的に宣伝」 したHCQ+AZ療法を採用した3月中旬までは、感染者も死亡者も急増していたが、その後は2週間もしないうちに、新療法が功を奏してトレンドは逆転した。現在、これらの国はアメリカと比較して、人口100万人あたりの新規患者数は15~50分の1程度、死亡者数は8~40分の1にすぎない。これらの国では、早期治療にはHCQ+AZを採用し、場合によっては予防にも使用している。

 アメリカでは、HCQに対する態度はバラバラだった。3月23日、ニューヨーク州は、コロナウイルス感染症の非入院患者に対して、医師の処方箋があっても薬局がHCQを調剤することを禁止した。そして感染は、ニュージャージー、マサチューセッツ、メリーランド、ペンシルベニア、コネチカットなど近隣の州に広がった。逆に、カリフォルニア州はHCQの使用を規制せず、結果的に死亡率は低かった。もちろん同州は厳重なロックダウンを実施したことも事実だから、HCQ反対派はそれが功を奏したというかもしれない。

 しかし、HCQベースの治療の有効性と安全性については、数千人の医師と数十件の査読を経た研究、そして他の国々の経験から十分な証拠が得られている。

 コロナウイルス感染症は、多くの国でHCQ+AZ(+亜鉛)で治療されているが、治療は早期に開始すべきであることも知っておくべきである。担当医がその治療を行っていない場合は、行っている医師を探すことも必要だ。できれば、事前にそのような医師を見つけておくのが良いだろう。自己診断は避けるべきだし、使用に関する禁忌もある。中等度の副作用(吐き気、嘔吐、胃のむかつきなど)はまれではない。自分がHCQベースの治療に適しているか検査すること、高リスク群(65歳以上または特定の疾患がある)であれば問題があるかもしれないことなども知っておくことが必要だ。そしてもちろん、本稿はHCQ治療をすすめる医学的なアドバイスではない。

 少なくとも、州の医療委員会や医師会の意見がどうであれ、コロナウイルス感染症の症状がある患者に対し、医師が自分の判断でHCQベースの治療を自由にできるようにはすべきである。

(この記事は「American Thinker」の許諾のもと同サイトの記事を翻訳・要約したものです)
  American Thinker :月間ユニークユーザー300万人を誇るアメリカの保守系ニュースサイト。各界の専門家やジャーナリスト・作家の寄稿を中心とし、エリート層の読者が多いことで知られる。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン