スポーツ

大相撲「中川部屋パワハラ問題」に協会が“大甘処分”の内幕

中川親方(元幕内・旭里。写真/時事通信フォト)

 前例のない両国国技館での7月場所初日(19日)を1週間後に控えた13日、日本相撲協会理事会で、「中川部屋の閉鎖」とパワハラ問題を起こした中川親方(元幕内・旭里)の2階級降格処分が決まった。だが、問題の根は深い。

「中川親方は9人の弟子のうち、3人に暴力を振るっていたといいます。今年2月には“チャンコをこぼさず運べ”と顔面を殴り、3月場所中にはタクシーで宿舎に戻る車内で寝ていた弟子を正座させた上で、腹を3回蹴るなどした。他にも荷物の転送に不手際があった、浴衣の帯の結び方が汚いなどと咎めては暴力を振るい、日常的に“クビにするぞ”“殺すぞ”などの暴言もあった」(協会関係者)

 暴言を録音した弟子が協会に駆け込んで発覚。この問題の背景には、中川部屋の成り立ちを巡る複雑な事情が絡んでいる。

「白鵬の付け人」も移籍

 若手親方はこう話す。

「中川部屋の前身は春日山部屋。この『春日山』の年寄株の所有権を巡って元幕内・春日富士と元幕内・濱錦の間で泥沼の法廷闘争になった経緯がある。結果として、当時の春日山部屋を師匠として率いていた元・濱錦が退職に追い込まれ、2016年に部屋は閉鎖。部屋の弟子のうち現役続行を選んだ9人の指導を引き継ぎ、2017年に新たな部屋を立ち上げたのが中川親方です。今回、暴力の標的になった弟子は、中川親方よりも、退職した春日山親方を慕っていた力士たちだといいます」

 部屋のなかで複雑な人間関係が生じた原因に、角界の歪んだ慣習がある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン