決め球スプリットに不安
村田氏も大谷も剛速球に加えフォーク、スプリットと落ちる球が「ウイニングショット」という共通点がある。だが、手術を機に投球スタイルの変化の必要性を語る。
「私のフォークは手術後、完璧に落ちなくなった。縦の変化球は肘により負担がかかります。大谷が復帰登板でスプリットを投げなかったのも、その不安が多少あったと思う。
さらに肘が完全に再建されるわけではないので球が速くなることもない。私も球速は落ちてストレートで抑えられなくなった。それを低目に投げる制球力や緩急を利用して打者に球が速くなったように見せました」
大谷は当面の間、中6日の調整が続き、毎週日曜日の登板となる。35年前の「サンデー兆治」とも重なる。
「私は150球投げていたから中6日にしただけ。100球で代われと言われていたが、エースとしてのこだわりだった。二刀流の大谷は投手にどこまでこだわるのか。先発として続けたいなら、潰れてもいいというぐらいの気持ちで投げられるか」
29日には今季初アーチとなる3ランを放ったが、二刀流ゆえに復帰のハードルも高い。遠山奨志(昭治)氏は1985年にドラ1で阪神に入団し、1年目から8勝を挙げたが1995年にロッテで打者に転向。3年後に出戻った阪神で再度投手に転向して“松井秀喜キラー”として活躍した。