中国語や韓国語にも長ける桜庭ななみ
少女に戻ったような無邪気な表情で元気に答えた桜庭。今作しかり、高度成長期の関西の集落で逞しく生きる家族を描く映画『焼肉ドラゴン』、三姉妹の次女を演じたNHK朝ドラ『スカーレット』など、近年は意志の強い女性の役どころも増えた。女性の持つ強さに惹かれ、お芝居で様々に演じられるのは嬉しいと語る、彼女自身の強さとは。
「母からの手紙に『悪いことは悪いと言えるあなたの強さが大好きです』と書いてあって、そういう強さはずっと持ち続けていきたいです。また一度決めたら曲げない性格でもあります」
その言葉通り、20歳で始めた10年日記も7年間毎日欠かさず続けている。
「『お休みだった』だけの日もあるけれど(笑い)、同じ日の日記が同じページに重なるので、過去の自分を振り返れて面白いんです。悩みや課題も書くので成長を感じられると嬉しいですが、基本はあまり変わっていないかも(苦笑)。今の私はやりたいことが溢れて余裕がなく、70点。日記帳が終わる頃には100点満点になっていたいです」
そして次なる10年へ進んだらリセットして、30代の自分に1から点数をつけたいという。そんなふうに前だけを向いて進むまっすぐな生き方も、彼女が内に秘めた強さなのだろう。
「普段はもちろん手掴みでなんて食べないので不思議な気持ちでした」(写真提供/東海テレビ)
父親には13歳の子供のように、犯人には歩み寄るように恋愛モードで…と態度を変えて周囲を惑わせます」(写真提供/東海テレビ)
「監禁された心の苦しみをリアルに表現できたと思います」
●さくらば・ななみ/1992年生まれ、鹿児島県出身。2008年にデビューし、『最後の忠臣蔵』(2010年)でブルーリボン賞・日本アカデミー賞の新人賞を受賞。中国語、韓国語に長け、国際派女優として海外でも活躍。現在は英BBC放送の人気作をリメイクした『13(サーティーン)』(東海テレビ制作/フジテレビ系土曜深夜23時40分より放送『オトナの土ドラ』)で主演を務める。
撮影■鈴木ゴータ 取材・文■渡部美也
※週刊ポスト2020年8月14・21日号