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『ハケンの品格2』篠原涼子はなぜ「日本沈没」を叫んだか

13年ぶりにスーパー派遣社員を演じた(時事通信フォト)

 13年ぶりに制作されたドラマ『ハケンの品格』。ドラマオタクを自認するエッセイストの小林久乃氏が、最終回(日本テレビ系、5日22時〜)を前に本作の魅力を分析する。

 * * *
 13年ぶりに復活して放送が始まると思いきや、また! コロナのおかげでたった8回の放送で終了してしまう『ハケンの品格』。この作品の最大の魅力は、やはりなんと言っても主人公・大前春子(篠原涼子)の最強派遣社員という希有な存在。歯に衣着せぬ言動で、気持ち良く私たちを大前春子ワールドに包み込んだ。

 作品の収録があえなく中断した際には、13年前の第1シリーズが再放送された。当時リアルタイムで視聴した世代は懐かしみ、そして初見の世代にも「刺さる」「超わかる!」と話題を呼んだ。では、2020年の最新版はどんな内容だったのか、8月5日の最終回を前に振り返ってみたい。

“えらそうな部長”にイラッ

 まずは『ハケンの品格』のあらすじを。

 食品輸入会社S&Fへ、13年ぶりに派遣社員として復活した大前春子。彼女は膨大な数の資格を保持してどんな問題も解決することができる、スーパー派遣社員。ただ、以前とは会社の状況が違い、課長の里中賢介(小泉孝太郎)はリストラ社員を選ぶ立場に。そして仲間だったはずの東海林武(大泉洋)もリストラの対象に……。追い込まれた里中は自らも辞職することを発表、そして春子にまさかのプロポーズをする──。

 ふと、13年前にこの作品が放送された時を思い出す。まだ出版社の社員として組織に属し、毎号押し寄せてくる校了に若さで立ち向かっていた。第1シリーズを、「分かるな〜」とか言いながら、ビールを飲んで観賞していたと思う。そこから時間が経って私は、個人事業主になった。どこにも属さず、作品(書籍など)を作り終えてギャランティの契約が終了したら、編集部から去っていく。ある意味、大前さんのゾーンに足を踏み入れた。もちろん彼女の生き様の足元にも及ばないのは承知している。

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