「大丈夫ですよ。私はすれ違う時にマスクをつけていますから」と自分自身で言いたいだけの理由だ。だからこそ、相手がマスクをつけていなかった場合は「まぁいっか、どうせこいつも感染してねぇだろ」となり外したまま。この時に妙な連帯感を覚える。

 漫画家の小林よしのり氏はこれまでに自身のブログや『ゴーマニズム宣言』(『週刊SPA!』連載)で、コロナの恐怖を煽り続ける『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)を徹底的に批判してきた。

 8月末発売の新刊『コロナ論』で、コロナを過度に恐れる人々や、テレ朝社員の玉川徹氏や白鴎大学教授・岡田晴恵氏といったコロナ危機を煽るテレビ芸人を一刀両断することであろう。私は岡田氏については元々「危険を指摘する信頼できる人物」と思っていた。

 それは、彼女がテレビに出始めた頃の、「今は春休みなんでテレビに出ているだけ」発言が発端だ。つまり、大学が再開したらテレビに出ている場合ではない、と述べたのだが、今もテレビに頻繁に出続け、2020年上半期の女性部門ではテレビ出演回数1位に。白鴎大学は栃木の大学だが、果たして東京でテレビに出まくっている彼女が大学教授としての職をいかにして全うしているのか。

 同大学はリモート授業も行なっているが、岡田氏はどれだけ学生のためになった講義ができているのか是非とも知りたいところだ。

 私自身、知り合いは多い方だが、一人も感染者は知らない。今回のコロナ騒動、バカ情報番組が煽りまくり、番組のレギュラーと化した“現場で戦わぬ専門家(笑)”の貯金を殖やし、無駄に廃業に追い込まれる会社・店を増やしただけじゃない? と考えると、冒頭の大工の愚行も少し共感してしまうのである。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など

※週刊ポスト2020年8月28日号

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