芸能

渡哲也さんと弟・渡瀬恒彦さんの絆と心震わせる男の美学

男の美学を貫き通した(時事通信フォト)

 石原軍団の解散を発表してひと月足らず、渡哲也さんが与えられた役割を終えたかのように78年の生涯を閉じた。互いに信頼し合い、深い絆で結ばれた弟・渡瀬恒彦さんがこの世を去ったのは3年前(享年72)。昭和の銀幕を駆け抜けた名優兄弟は、誰もが心震わせる男の美学を貫いた。

 淡路島で育った3歳違いの兄弟は、ともに兵庫の名門・三田学園で中高時代を過ごした。青山学院大学へ進学した渡さんは、航空会社の整備士を志す。そんな兄に運命のいたずらを仕掛けたのが渡瀬さんだった。1964年日活に兄の写真を内緒で送り、就職試験に落ちた渡さんが日活を訪れるとすぐに採用され、翌年には『あばれ騎士道』で主演デビューを果たした。

 早稲田大学に通った渡瀬さんは電通PRに就職するも、1969年に東映の名物プロデューサー・岡田茂氏に口説かれ、兄と同じ道を歩むことになる。1971年にNHKの連続ドラマで初めて共演したが、2011年のドラマ『帰郷』まで実に40年間、2人が同じ作品に出ることはなかった。

「タイプの全く違う2人を生かす作品に巡り合えなかったのでしょう。渡瀬さんは器用で、どんな役もこなせた。渡さんには圧倒的な存在感があった。お互いがお互いにない特長を持っていました」(芸能ジャーナリスト・二田一比古氏)

 仕事ではほとんど顔を合わせなかったが、双方を思いやる気持ちは強かった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

独走でチームを優勝へと導いた阪神・藤川球児監督(時事通信フォト)
《いきなり名将》阪神・藤川球児監督の原点をたどる ベンチで平然としているのは「喜怒哀楽を出すな」という高知商時代の教えの影響か
週刊ポスト
容疑者のアカウントでは垢抜けていく過程をコンテンツにしていた(TikTokより)
「生徒の間でも“大事件”と騒ぎに…」「メガネで地味な先生」教え子が語った大平なる美容疑者の素顔 《30歳女教師が“パパ活”で700万円詐取》
NEWSポストセブン
西岡徳馬(左)と共演した舞台『愚かな女』(西武劇場)
《没後40年》夏目雅子さんの最後の舞台で共演した西岡徳馬が語るその魅力と思い出「圧倒されたプロ意識と芝居への情熱」「生きていたら、日本を代表する大女優になっていた」
週刊ポスト
ロッテの美馬学投手(38)が今シーズン限りで現役を引退することを発表した(時事通信フォト、写真は2019年の入団会見)
《手術6回のロッテ・美馬学が引退》「素敵な景色を見せてくれた」国民的アニメの主題歌を歌った元ガールズバンド美人妻の想い
NEWSポストセブン
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン