スポーツ

岡田彰布氏が語るオリの低迷「コーチが選手と仲良すぎる」

1996年優勝時の胴上げ(写真/共同通信社)

 最も優勝から遠ざかっているオリックス、またもやシーズン途中での監督解任劇となった。8月20日、西村徳文監督が辞任し、中嶋聡二軍監督が代行を務めることが発表された。西村氏は退任会見すら開くことなくチームを去っており、混乱ぶりは明らかだ。

 1995年1月の阪神淡路大震災。春季キャンプから戻ってきた選手らは被災した神戸を見て、皆が皆、試合は無理だと感じたという。絶望にうちひしがれる選手を奮い立たせたのが「こんな時に試合をしないで、何が市民球団だ」という、宮内義彦オーナーの檄だった。

「がんばろうKOBE」を合言葉にチームは、11年ぶりのリーグ優勝を果たし、被災地の希望となった。本拠地グリーンスタジアム神戸の観客数も、前年を上回った。この年、NPB最年長(当時)の40歳11か月でのノーヒットノーランを達成した佐藤義則氏が当時を回想する。

「あの大震災をきっかけにチームが優勝を意識してひとつにまとまりました。この年のリーグ優勝が自信になり、翌年はついに日本一になった」

 この2年間、チームを牽引したのは2年連続で首位打者、最多安打を獲得したイチローだが、2年目の平井正史が最優秀救援投手(1995年)に、助っ人外国人ニールが本塁打王と打点王(1996年)を獲得するなど、他の選手も期待を超える活躍を残した。彼らを起用した仰木彬監督の神がかり的な采配は「仰木マジック」と称された。

「神がかっていた印象があるかもしれないけど、仰木監督の采配は(1994年の就任当初から)一貫していた。ただ、この2年は抜擢した投手が好投したり、代打が殊勲打を打つミラクル采配があった。

 今思うと、選手の意識が大きかったんじゃないかな。阪神大震災で野球をプレイできる喜びを感じられるようになり、1試合1試合を一生懸命やるという気持ちがみんなに芽生えた。重要なのは、この意識と、チームの一体感なんだよ」(佐藤氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン