当時、二軍の助監督として仰木監督を支えた岡田彰布氏も一体感を間近で感じた1人だ。だからこそ、今のオリックスには意識が足りないと訴える。
「プレッシャーや逆境に弱い。ええとこまで行くんやけどアカン。意識してまうんやろな。阪神のようにファンやマスコミにぼろくそに叩かれることで選手は精神的に強くなるんやけど、残念ながらその機会は少ないしな。
プレッシャーをかけるべき存在のコーチは選手と仲良すぎる。叱り役でないとアカンのに、褒めとるからな。オレの監督1年目にT-岡田が本塁打王を獲得したんやけど、翌年はプレッシャーに勝てず半分以下の本塁打やった。22歳やったからそのまま伸びると思たけどな。フロントがそんなコーチを評価するのかわからんけど、監督のオレが一番怖がられてるようではアカンやろ」
一朝一夕ではチームの意識は変わらない。だが、いまのオリックスには若い力がある。中嶋新体制発足後は、二軍で活躍していた若手選手をスタメンに起用して3連勝。佐藤氏がエールを送る。
「重要なのは今回の監督交代をどう思うか。選手がどういう意識を持って、ひとつの方向を向いて野球をできるかがカギとなる。ただ練習して、ただ試合に臨むだけではそう簡単には勝てません。監督やコーチもそのために必要なことを、時には厳しく選手に伝えて緊張感をもたせてほしい。選手の意識が変わればきっと野球は変わります」
イチローはメジャー移籍後、こんな言葉を残している。
「結果が出ないとき、どういう自分でいられるか。決してあきらめない姿勢が何かを生み出すきっかけをつくる」
今のオリックスに向けられたかのような言葉だ。
※週刊ポスト2020年9月11日号