生食、煮る、すりおろすといった食べ方が一般的だった大根に「煮てから揚げる」という意外な調理法を取り入れ、サクッとした衣の食感と、口の中でジュワッと広がるだしの風味が味わえる。簡単なのに奥深い料理のレシピは瞬く間に拡散されて、フォロワーが1000人単位で増えていった。

「そのときは、バズらせようという意図はまったくありませんでした。“すごいな。こういうのが好かれるんだ”と、感心するばかりでした」(リュウジさん)

 同じく料理研究家のジョーさん。は、食に関する企画会社に在籍していた2016年にツイッターでレシピの発信を始めた。その後、独立したジョーさん。が最初にバズったレシピは、2019年6月に投稿した「アスパラバター混ぜご飯」だ。刻んだアスパラガスをご飯に混ぜるという斬新なアイディアで、見事バズり飯の仲間入りを果たした。

「初めて20万を超える『いいね!』がついて、テレビでも取り上げられました。自分なりに“きっとウケるだろうな”という手ごたえは感じていたのですが、予想をはるかに上回る反響でした」
 そう語るジョーさん。は、「このレシピには“バズる要素”が詰まっていた」と振り返る。

「日本人は、塩分・糖質・脂質を目の敵にしますが、実はこの3要素が使われていることは、人間が“おいしいなぁ”と感じるポイントで、科学的にも証明されている。だから、レシピにバターとめんつゆを加えたのは“確信犯”。ご飯に油やタレなどをしみ込ませると、あまりのおいしさに人はダメになりますよね(笑い)」(ジョーさん。)

 めんつゆは、バズり飯の“常連”だ。そこには、「冷蔵庫の中で場所を取るので、どうにかして使い切りたい」というニーズもあるだろう。そのほかにも、オイスターソースやごま油、顆粒スープの素なども登場頻度が高く、バズり飯の格好の“スパイス”になっている。どの家庭にもある調味料で「ガツン」とおいしくすることが、バズり飯の条件なのだ

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