スポーツ

ルメール&川田、無観客、夏の1番人気馬の関連をどう読むか

1番人気馬の取捨は大きなポイント

 いよいよ夏競馬もフィーナーレ。せめて馬券で大花火を打ち上げたいものだが…。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 先週8月最終週の札幌競馬は、土日とも1番人気馬が全敗だった。

 とくに日曜の1番人気馬は2着が1頭のみで3着もゼロ。馬連はすべて1000円以上。「今日は荒れているなあ」と思っても、1番人気が全敗というのはそうそうあるものではない。昨年は確か3回ほどだけではなかったか。8月8日の新潟も1番人気は全敗。9日、23日、29日、さらに29日、30日の小倉でも2勝しかあげられていない。

 無観客競馬が始まってから3月下旬までの2回中山、1回阪神、1回中京では1番人気馬の勝率は.368。クラシック第1弾があった3回中山と2回阪神も.354、天皇賞(春)からダービーまで毎週GⅠが開催されていた時期(2回東京、3回京都、1回福島、1回新潟)でも.320。

 かつて当サイトのコラムでこう書いた。

《「観客」の圧力がないことで、1番人気馬はリラックスできたのかもしれない。》

 他の競馬メディアや一般紙でも、そんな論調のコラムを読んだ記憶がある。

 1番人気馬は6月の3回東京、3回阪神、1回函館でも3割はキープしていた。ところが6日間開催となった7月の2回福島、4回阪神、2回函館の216レースではなんと.282。7月下旬からの新潟、札幌、小倉開催はあと1週を残しているが、1番人気馬の勝率は.280に留まっている。

 春の競馬シーズンが一段落した夏のローカル競馬、という要素もあるのだろうかと、昨年7月6日から21日の6日間の福島、中京、函館の結果を見てみた。すると6日間計216レースで、1番人気馬の勝率は.375。今年より20も勝っている。

 ところで、無観客競馬で人気の要因になっているのはなんだろう。

 まずは前走までの実績、レース内容。これはファン各自の記憶に残っているものもあれば、「参考レース」などで確認するものもあるし、血統などが加味されることもあるだろう。中間の状態や調教、さらに厩舎の意気込みなどは、スポーツ紙や専門誌紙で仕入れる。最近ではネットによるデータ分析や記者独自の情報なども参考にするだろう。

 またグリーンチャンネルでの「パドックからの推奨馬」でも多少動くかもしれない。ただそれらは、読んでいる新聞や解説者によって違うので、大きなベクトルになるとは言い難い。印は競馬記者が話し合って決めているわけではないし、ファンは競馬記者の印通りに馬券を買ったりはしない。

「無観客競馬」が当たり前になってしまった今、一般の競馬ファンに最も簡単に飛び込んでくるデータは「騎手」のような気がしてならない。リーディング上位騎手と有力馬が敏腕エージェントによってマッチングされていることはみんな知っている。

 なかでもルメール騎手と川田騎手の成績はズバ抜けている。8月終了時点での勝率はルメール騎手が.261、川田騎手が.282と3位の福永騎手(.178)以下を大きく引き離している。連対率はともに4割超で、これも3位以下の騎手より1割以上高率だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
高市早苗・首相はどんな“野望”を抱き、何をやろうとしているのか(時事通信フォト)
《高市首相は2026年に何をやるつもりなのか?》「スパイ防止法」「国旗毀損罪」「日本版CIA創設法案」…予想されるタカ派法案の提出、狙うは保守勢力による政権基盤強化か
週刊ポスト
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
米女優のミラーナ・ヴァイントルーブ(38)
《倫理性を問う声》「額が高いほど色気が増します」LA大規模山火事への50万ドル寄付を集めた米・女優(38)、“セクシー写真”と引き換えに…手法に賛否集まる
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン