ライフ

高齢者の歯 抜けて舌が動かしにくくなり、誤嚥の原因にも

入れ歯は外して専用ブラシでぬるぬるがなくなるまで洗浄

「8020運動」という言葉をご存知だろうか? これは「80才で20本以上自分の歯を保とう」というもの。ものを食べなければ生きていけない人間にとって、歯は欠かせない。高齢になったなら、なおいっそうその重要性に気づく機会も増えるはず。歯が抜けてしまうことのデメリットは大きいのだ。ふれあい歯科ごとう代表の五島朋幸さんに聞いた。

「かたいものが噛めなくなるのは想像がつくと思いますが、それは二の次。舌を動かしづらくなるのが問題です。食べ物を咀嚼して飲み込むためには、実は舌が重要な役割をしています。多くの歯がなくなって空間が狭くなったり、1本抜けて歯間の均衡が崩れたりすると、舌はうまく動かせません。たとえやわらかい食べ物でも、舌がしっかり働かないとうまく噛んだり飲み込んだりできない。誤嚥の原因にもなります」(五島さん・以下同)

 舌は歯が揃って並ぶ空間に納まった状態で力を発揮する。歯が抜けてしまったら、正常に噛むためと、舌が動ける環境を維持するためにも義歯を入れることが必要なのだ。選択肢は3つ。

【1】入れ歯
 総入れ歯と、残っている歯に金具などで固定する部分入れ歯。口腔環境にあまり影響を与えないが、異物感を感じやすい。着脱して使うので洗浄がしやすい。

【2】ブリッジ
 失った歯の両サイドなどの歯を削って土台にし、人工歯をかぶせてつなげる。基本、装着したままで、自分の歯に近い感じ。健康な歯を削る必要があり、土台の歯への負担も大きい。

【3】インプラント
 歯が抜けた部分の顎骨に外科手術で人工歯根を埋め込み、人工歯を取り付ける。歯周病や骨粗しょう症の場合はできない。

「高齢者の場合、入れ歯かブリッジからの選択になることが多いです。残っている歯が多ければブリッジでもよいのですが、将来、要介護で口腔ケアを人に頼むことを想定すると、外せる入れ歯は介護者にとってかなり楽。義歯も自分の歯と同じように洗浄が欠かせませんから、メンテナンスのことまで考えて選択しましょう」

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン