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2020.09.26 16:00  NEWSポストセブン

山口達也逮捕 社会はアルコール依存症とどう向き合うべきか

再合流はあるのか

復帰はさらに難しくなってしまった

 追突事故をきっかけに議論百出の事態となった。コラムニストのオバタカズユキ氏が考察した。(文中敬称略)

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 飲み始めると酔いつぶれるまで深酒をし、目が覚めるとまた酒を飲んでしまい、そのせいで社会生活も家庭生活もうまくいかなくなっているのに、それでも酒がやめられない。そういう状態に陥った人を一昔前は「アル中」と呼んでいた。最近では医療用語の「アルコール依存症」を用いることが一般的になっている。

 自分の知り合い、仕事仲間や友人、親戚などの顔をできるだけたくさん思い浮かべてみよう。その中にアルコール依存症者や依存の疑いのある人はいないだろうか。

 私の知り合いでは、これまで3人がアルコール依存症で亡くなっている。うち2人は、肝臓や心臓などの内臓疾患が直接原因で、もう1人は自殺だった。そこまでいかなくても、アルコール依存症の疑いのある知り合いなら、さらに4、5人いる。彼ら彼女らはなぜか仕事のできる人ばかりで、酒での失敗を繰り返しながらどうにかやっているが、いつまでそれが続くかは微妙だ。

 日本でアルコール依存症として治療を受けている患者数は5万人前後。だが、治療につながっていないアルコール依存症者は100万人以上いるそうだ。かなり身近でよくある病気だといえるし、重度になると命にかかわる病気であるから、その対策は国民的課題だとしても大げさではないはずだ。日本は飲酒に寛容な国なので、なおさらである。

 しかし、この病気に対する理解はまだ浅い。依存症になる人は、ほど良いところで酒をやめられない、だらしのない人間だとする見方がいまでも根強い。つまり意思の弱さが問題であるという精神論だ。精神論が通じない病気に罹患しているからこそ、アルコール依存症という病名がつけられ、治療は医療保険対象となっているわけだけれども、その理解は発展途上にある。

 先日、元TOKIOの山口達也が、酒気帯び運転で現行犯逮捕された。山口は2年前にも泥酔状態で女子高生へのわいせつ事件を起こし、それが原因で芸能界から事実上の引退となっていた。そこにまた今回の事件。負傷者が出なかったことは幸いだが、堕ちた元大物アイドルのさらなる転落に、テレビのワイドショーをはじめとするマスコミは大いに沸いた。そこではやはり、精神論から山口を叩くやり方が主流だった。

 だが、それは果たして視聴者が求めている報じ方だったのだろうか。違うような気がする。少なくともネット上の反応とは、だいぶ温度差があったのだ。

 私の見た限り、ツイッターでもっとも拡散された関連ツイートは、〈山口達也さんをDASH島に監禁して酒飲ませないようにするとか言ってる人いるけど酒作ってしまいそう〉というちょっとしたジョークである。からかってはいるが、山口叩きとは違う。もうちょっとあたたかな目線を感じさせる。

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