ビジネスや宇宙などだけでなく、医療方面にも通じているホリエモンこと堀江貴文は、次のように語っていた。
〈本当にアルコール依存症の方は、アルコールさえ飲まなければ温厚で仕事もできる、ちゃんとした人だった、その人も。おそらく山口達也さんもそうなんだと思いますけど、まわりに彼を献身的に支えてくれる人がいない限り、彼はかなりの確率で刑務所入りしてしまう、もう本当に一歩手前にいると思いますんで、周りの方々、彼がそんな刑務所に入ったりとかしないように、支援したいと思うんだったら、是非支えてあげてほしいなと思います。刑務所には行ってほしくないですけど、アルコール依存症から脱してください〉
私の知り合いでアルコール依存症の疑いのある人はなぜか仕事のできる人ばかり、と前記したが、より交友関係が広いであろうホリエモンの場合も同じらしい。それだけ仕事の負荷が大きくストレスの多い人が依存症になりやすい、という一つの傾向だろうか。
チャンネル登録者数はさほど多くはないものの、発言者としてまだ力のある乙武洋匡の話はこうだ(読みやすいよう、若干手を入れています)。
〈詳しい専門家の方に聞くと、批判とか厳罰っていうよりも、やっぱりその孤独にさせないこと、そして治療していくこと、これが依存症の方には何より大事なんだということを、私も見聞きしたことがあります。もし身の回りの方にね、そういう依存症の方がいたり、そういう疑いのある方がいれば、批判をしたり、「お前何やってんだ」って叱責するよりも、寄り添ってあげて、きちんと専門家にかかることを勧めてあげたり、本人がそうことを言いやすい環境を作ってあげたり、そういうことが大事になってくるんではないかなというふうに思います。実際に山口さんが依存症かどうかはわかりませんけれども、報道が彼を叩くことに流れるんではなくて、依存症の可能性がある方はしっかりと専門機関に相談したほうがいいよねということが、社会の共有認識として広まっていけばいいなと思います〉
乙武発言の内容は、我々の社会がアルコール依存症にどう対するかの基本だ。私が付け加えるべきは特にない。まったく同感である。
少し前にジャニーズ事務所から独立した手越祐也が、「手越村」という実験的農業の構想に山口達也を招きたいと発言して話題になっている。また、城島茂、松岡昌宏、国分太一らが立ち上げた株式会社TOKIOに山口を呼び、芸能活動に復帰させる道を、まだ諦めていない、とも報じられている。世間は、意外に寛容で、包容力があるではないか。
山口達也の逮捕は残念な出来事であったものの、こうして前向きな数々の声を読んだり聞いたりすると、彼の不祥事はアルコール依存症理解の道を一歩前進させた面もあったのだなという気持ちになる。こんどこそ本格的な治療とつながり、あらたな山口達也として復活する姿をいつか見せてほしいと思う。