住民投票まで1か月を切ったにも関わらず、混乱は続く(時事通信フォト)

住民投票まで1か月を切ったにも関わらず、混乱は続く(時事通信フォト)

 自民大阪府連も一枚岩とはいかない。大阪市外の府議から賛成に回る“造反者”が現われた。9月末には都構想反対で統一行動を取ることを表明したが、分裂含みであることは否めない。

 こうした政治的駆け引きは、市民を巻き込む騒動に発展している。

 象徴的な出来事が、松井市長直轄で都構想を担当する市副首都推進局の広報物をめぐる騒動だ。9月下旬に全戸配布された都構想パンフレットや市広報紙について、市特別参与が「推進に偏りすぎている」と指摘。市立幼稚園に配布された子育て情報誌にまで維新の実績をアピールする広告が掲載されていたことが発覚し、回収騒ぎになっている。

 9月29日、自民党大阪市議団が松井市長に「住民に正しい情報を伝えるべき」と直談判すると、松井市長は「伝えてますやん」と声を荒らげた。市議団幹事長でもある前出・北野市議は「広報物はメリットばかりで反対意見は掲載されず、市民に正しい情報が伝えられていません」と憤った。前出・吉富氏の指摘だ。

「市民が投票で直接判断する住民投票は、公平・公正に情報を伝えることが行政の役割。政治の役割である都構想推進を、行政トップの松井市長と市副首都推進局が進めるのははき違えている」

 混乱が続く中で、住民からは「結局都構想って何なのか説明不足」、「よくわからない」といった不満も上がっている。

※週刊ポスト2020年10月16・23日号

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