国際情報

トランプが激戦州「戸別訪問大作戦」で最後の大勝負に出る

最後のトランプマジックが炸裂するか(Sipa USA/時事通信フォト)

 トランプ大統領の選挙戦略は徹頭徹尾「攻撃型」である。4年前もそれで圧倒的劣勢から一気にヒラリー・クリントン氏を逆転した。アメリカのメディア関係者は、いまだ「トランプの奇跡」があるのではないかと可能性に注目している。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏がリポートする。

 * * *
 バイデン前副大統領とトランプ大統領の支持率の差は、各種世論調査で軒並み10ポイント以上に開いた。普通に考えれば、1か月を切った段階でこの差があれば「勝負あった」と言っていいだろう。しかし、何があるかわからないのが「トランプの選挙」である。

 フリー記者の友人であるマイケルと電話で話した。マイケルは、この数か月、大統領選挙を中心に取材活動を続けている。両陣営の動きについて、おそらくどんな日本メディアより詳しく知るジャーナリストの一人である。「どうやらバイデン勝利で決着がつきそうだ。アメリカの多数の有権者が望む結果になるだろう」と水を向けると、意外な言葉が返ってきた。

「おおむねその通りなのだが、私はもう少し様子を見たいと思っている。トランプにも、まだほんの少しチャンスがある」と言うのである。とても興味深い見立てだったが、筆者はマイケルに反対した。「もはや差が開きすぎた。トランプが何をしても、わずか3週間あまりではひっくり返せない。勝敗を分ける激戦州でもバイデンのリードは安全圏に入りつつある」と常識的な予測を投げかけると、マイケルは、「私も確固たる根拠があって言っているわけではない。しかし、これまで何度も大統領選挙を取材してきて、バイデンは勝利者の風格というか、雰囲気を持っていないと感じる。メディアにも人気はなく、エキサイトメントが感じられない。それは有権者を取材していても感じる。ただ単に、トランプを嫌う人たちがバイデンを支持しているだけだ。そんな人が大統領になるというイメージが湧かない」と、ベテラン記者らしい分析をして見せた。

 確かに、バイデン氏がテレビや集会で演説していても、これまで大統領選挙を勝ち抜いたどの候補より、有権者の熱狂的支持は受けていない。少なくとも4年前のトランプ氏は、もっと支持者を熱狂させた。もしトランプ氏が順調に回復し、10月15日の2回目のテレビ討論会に元気な姿で現れれば、おそらく支持者の熱狂はバイデン氏の比ではないだろう。

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン