このように、一部の「高学歴」と「マスコミ関係者」は朝日新聞を読み、影響されていると感じたという野原氏。今回朝日が取り上げた「学歴」についてはこう述べる。
「私は農業高校の卒業です。それより先の学歴をなぜ取得できなかったのか? 中学を卒業する時に高校入れるかで闘っちゃうとその先はないの。大学はもういいかな……なんて考えたの。専門学校に入ったけど、親の援助がなかったから続かず、私は住み込みの店員をやった。今回、取材を受けるにあたり『学歴って必要だよね』とも言えたかもしれないし、『関係ないよね』というきれいごとを言おうとしたけど、どちらも言えなかったわ。あくまでも私が学歴詐称をしたことだけを伝えた。ただ、私も長く生きてきたから、たまに騒ぎになる“学歴詐称する人”が嘘ついてまでその学歴を取得したことにする気持ちはわかる。
みんな何かしらあるんだよね。東大出た人でも東大の学部同士の『法学部の方が文学部より上だ!』みたいな小競り合いとかも見たことがある。本当はそこの学部に入りたかったけど、そんなのこっちからすると遠い世界の話よ。私なんて、『東大です!』と言われれば『お見それしました! 私ごときが口利いていいのやら……』と思うわけです」
かくして朝日新聞が関心を持った「学歴」というテーマについて野原氏は総括したが、改めて朝日新聞の影響力についてはこう述べる。
「影響力はあると思ったけど、“年齢制限”ってあるんだな、と思ったわ。新聞を読む習慣は若者にはないの。朝日もそちらを相手にしていないんでしょ? でも、50代~70代までは昔の、朝日ジャーナルを読むのがかっこよかった、朝日がすごかった時代と同じ気持ちなんだろうなと思ったわ。なにせ、私がフェイスブックで朝日に取り上げられたことを報告したら、『いいね』の数が倍になったのよ。それだけまだ影響力はあることは実感しました」