【国内の発展はもとより国際社会においても存在感を大きくしつつあるインド。だが、現在インドでは新型コロナウイルスが蔓延している。死者、感染者ともにアメリカについで世界2位。いまだ感染者数は猛烈な勢いで増え続けている】
池上:インドではこのところ新型コロナウイルスの感染者が非常に増えているということで、大変私は心を痛めています。感染が拡大していることに関して、お見舞い申し上げます。これからの終息の見通しというのはいかがでしょうか?
ヴァルマ大使:ご存じかと思いますが、インドは世界で2番目に大きな人口を持っています。そのため、他国と比較しても非常に多くの感染者がいます。しかし、100万人当たりの数字は非常に小さいと言えます。死亡率を100万人当たりで見ますと53人で、ほかの国に比べるとかなり少ない数字です。そして回復率は78パーセント近くになります。死亡率ですと、世界平均は4パーセント台であるのに対して、インドは約1.68パーセント。感染者の人数は多いですが、それは人口が多いからです。そして、既に4600万件という膨大な数の検査を実施しています。検査数に応じて、感染症の検出数も増える可能性があるわけです。インドでは3つのワクチンが臨床試験中です。そのうちの2つは、インド製で臨床試験の第2段階です。3つ目はオックスフォード大学のワクチンで臨床試験の第3段階です。これらのワクチンが早い段階で承認されることを願っていますが、同時に非常に厳格な実施手順や決まりを守っています。
承認されれば、月に約9000万のワクチンを生産する能力があり、インド国内だけでなく、志を同じくする国や友人たちにもワクチンを提供できるようになるはずです。