数々の大物がくぐった麻布の門

個性派として活躍する麻布卒業生の思い出の地

 あと、自分のことじゃないんですが、麻布の6年間で印象に残っていることのひとつとして、鉄道研究部の1個上のTさんという先輩が、「運動会をやりません」という公約で運動会実行委員長に立候補して残り2人の候補を退けて当選しちゃったという事件がありました。「それってありなんだ……」みたいな。

 クラスでも「運動会をやりませんっておかしいじゃん」という話になったのですが、そのとき担任だった社会科のS先生が、「何を言ってるんだ、お前ら」と。「民主的に選ばれたんだし、その公約がヤバいと思うのなら、残りの二候補が妥協して一本化したら勝てた得票数だったでしょ。一本化できなかったほうが悪い」みたいな話を普通にしていて。先生も「いままで通りがいい」とか言わないんだなあと感心しました。

 でも結局運動部のひとたちに締められて、物事が覆っていくというのもあって。Tさん、大変そうでした。僕はどっちでもいい人間なんで、一回くらいやらないのも面白そうだなと思ってTさんに入れたんですけど。

麻布はオタクのリザベーション(環境保護区)

──凡人の立場から見える麻布の風景があるというのは、面白い視点の置き方ですね。

 で、凡人側の世界で僕が何をやっていたかというと、特徴的なことは「オタク」です。僕らのころはアニメ好き、漫画好きのオタクがクラスに3~4人でした。いまはもうクラスの半分くらいになっているんじゃないですか?

 僕の世代はいまのスタイルのオタクが世間で認知され始めた第一世代だと思うんです。いまのスタイルのオタクというのは、ポップカルチャー系のオタクという意味ですね。

 僕らが14歳のときに宮崎勤事件が起きるわけですよ。あの事件で「オタク」が発見されるんです。おまけにいきなり犯罪と結びついているという。それが世間だということに、僕は相当長じてから気づきます。

 僕はオタク全般に対する悪いイメージをまったくもっていませんでしたが、あの事件以来オタクは世間からは迫害されていたんだということに、麻布を出てから気づきます。麻布にいると迫害を受けないけど、外の世界のオタクのひとたちは大変だったんだなあと。

 高3のときがいちばん遊んでいました。「東京パフォーマンスドール」というアイドルにゴンハマりしていて。追っかけとかやってました。「穴井夕子のオールナイトニッポン」の最終回を聞いて早朝のニッポン放送で出待ちしたこともあります。そりゃ浪人するよと。その後その会社に入社するという意味のわからないオチまで付いて(笑)。

関連記事

トピックス

詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
《新歓では「ほうれん草ゲーム」にノリノリ》悠仁さま“サークル掛け持ち”のキャンパスライフ サークル側は「悠仁さま抜きのLINEグループ」などで配慮
週刊ポスト
70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
一家の大黒柱として弟2人を支えてきた横山裕
「3人そろって隠れ家寿司屋に…」SUPER EIGHT・横山裕、取材班が目撃した“兄弟愛” と“一家の大黒柱”エピソード「弟の大学費用も全部出した」
NEWSポストセブン
イスラエルとイランの紛争には最新兵器も(写真=AP/AFLO)
イスラエルとの紛争で注目されるイランのドローン技術 これまでの軍事の常識が通用しない“ゲームチェンジャー”と言われる航空機タイプの無人機も
週刊ポスト
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《模擬店では「ベビー核テラ」を販売》「悠仁さまを話題作りの道具にしてはいけない!」筑波大の学園祭で巻き起こった“議論”と“ご学友たちの思いやり”
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン
カトパンこと加藤綾子アナ
《慶應卒イケメン2代目の会社で“陳列を強制”か》加藤綾子アナ『ロピア』社長夫人として2年半ぶりテレビ復帰明けで“思わぬ逆風”
NEWSポストセブン