準硬式球とはいえMAX154kmの剛速球を投げる大曲錬投手(撮影/川崎賢大)

準硬式球とはいえMAX154kmの剛速球を投げる大曲錬投手(撮影/川崎賢大)

 準硬式野球は、マウンドからホームへの距離などフィールドサイズは硬式と同じだが、使用するボールが異なる。準硬式球という、表面が軟式球のようにゴムで出来たボールが使われる。これは一般の硬式球よりも軽く、滑りやすいため、球速が出にくくなる。その準硬式球で、大曲のストレートは球速150kmを超える。

 3年生の頃から、「準硬式に凄い投手がいる」と評判は広がっていた。所属の九州六大学リーグや九州選手権で優勝しMVPを受賞。4年生になった今春、3月の開幕カードには、「本物か?」と確認のために7球団のスカウトが福岡に集結した。ネット裏でスカウトが構えるスピードガンは、151kmを計測する。

 勢いに乗って再び九州を制し、大学選手権で待ち受ける関東の強豪大学を相手に全国デビューを果たすはずだったが、コロナ禍でリーグ戦や主要大会が相次いで中止。その力をアピールすることが出来ずに終わった。

 しかし、実際に大曲のピッチングを見た人は、みな「凄い」と口を揃える。ストレートのMAXは154km。

 これまでも、プロ通算210登板で9勝を挙げた青木勇人(同志社大―西武)を筆頭に、最近でも鶴田圭祐(帝京大―楽天)、坂本工宜(関学大―巨人)ら準硬式からドラフト指名を受けてプロ入りした投手は何人かいる。そうした過去の選手たちと比較しても、大曲は「レベルが違う」と視察したあるスカウトは言い切る。「硬式、準硬式の枠を取っ払った中でも、素材では今年の大学生の投手で10人の中に入ってくるのでは」と絶賛する。

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