スカウト「4位まで残っているかな?」

 進路をプロに絞った大曲は、夏場から硬式に再転向。同じ福岡大の硬式野球部の練習に参加し、硬式球を使っての本格的なピッチングを始めている。部員登録をしていないため試合には出場出来ないが、打撃投手として、シート打撃などで打者相手に全力のボールを投げることもある。球速は140km台後半をコンスタントに計測し、硬式球への違和感はないという。

 ドラフトが近づく中、ヤクルトなどが指名候補としてリストアップしたことがスポーツ紙で報道されるなど、もはや指名は確実視されている。順位は4~6位の中位での指名と見るのが順当だろう。それでも、「4位まで残っているかな?」と他球団の動きを探るスカウトの声も聞こえてくる。予想以上に上位で指名される可能性もありそうだ。

 俄然注目を集め始めた“準硬式の星”だが、準硬式野球関係者の中には、「試合をしていない分、良い話ばかりでちょっと心配になります」と冷静に見ている者もいる。

「プロ入りした後、どれだけプロの環境に馴染めて、コーチやスタッフに応援してもらえるかが重要だと思います。即戦力ではないので、1年でどれくらい伸びるのかがカギでしょうね。可能性があると思ったら、それだけチャンスをもらえる世界ですから」(同前)

“異色の経歴”ということでは、準硬式だけでなく、近年は独立リーグからNPB入りし、素質を開花させる選手も増えている。今年の独立リーグは、MAX150km超の石井大智(高知ファイティングドッグス)を筆頭に、投手が空前の逸材揃いと評判だ。

 反面、こうした選手たちは、結果が出なければ見切りをつけられるのも早いという現実もある。大曲に話を戻せば、まず「硬式球で、(準硬式と)同じボールが投げられるのか」という判断が求められる。

 スカウトは、埋もれかけていた原石をどれくらい見分け、ダイヤモンドやプラチナにすることが出来るのか? その答えは何年か後に出てくる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン