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昭和のドラマ 作家性押し出したメッセージ含む作品多かった

昭和の時代を象徴する名ゼリフは…

昭和の時代を象徴する名ゼリフは…

 大人気のうちに幕を閉じたドラマ『半沢直樹』(TBS系)では、「1000倍返しだ!」や「おしまいDEATH!」といった名ゼリフが登場した。ドラマの名ゼリフは時代を映す鏡。昭和のドラマにもたくさんの名ゼリフがあった──。

 1964年の東京オリンピックを経て、テレビの普及率が拡大した昭和40年代、テレビは一家団欒の象徴だった。

「夜8時になると、家族で茶の間に集まってひとつのドラマを楽しむ時代でした」とは、昭和のドラマに多数出演し、現在はバラエティーでも活躍する俳優の岡本信人さん。昭和は家族を題材にした“ホームドラマ”の全盛期。ドラマの中で起きる家族間の騒動を、ハラハラしたり共感しながら見ていた人も多いはず。「ジュリィ~!」「関係ないね!」と、子供も大人もブラウン管から流れるセリフをまねたものだった。

 この時代を代表するドラマといえば、5年にわたり4シリーズが放映された『ありがとう』だろう。岡本さんは、児玉清、石坂浩二の弟役で出演した第2シリーズ(最高視聴率56.3%)を、こう振り返る。

「週に4日、1年にわたって稽古や撮影はもちろん、プライベートでもおつきあいがありました。すでに大スターだった児玉さんや石坂さんの素顔も知っていたからこそ、本当の家族のような演技ができたんだと思います」

 そして平成に入ると、ドラマの潮流は、若者の恋愛を描いたものへと移行していく。『踊る大捜査線』の脚本家で、映画監督の君塚良一さんは「昭和のドラマは、作家性を押し出した強いメッセージを含む作品が多かったように思います」と語る。

 たとえば、『前略おふくろ様』や『北の国から』などで不器用な男を描いた倉本聰作品の数々。コメディーからシリアスまで、向田邦子さんが紡ぐセリフも珠玉だった。三谷幸喜さんは『阿修羅のごとく』について、「神様のシナリオ。自分もこんなセリフを書きたい」と綴っている。

 また、『岸辺のアルバム』や『ふぞろいの林檎たち』(TBS、1983~1997年)で人の心の闇を描いた山田太一作品も忘れがたい。「個人的には『それぞれの秋』(TBS、1973年)。家族内の秘密が次々と暴かれ、何が真実なんだろうと、毎週テレビの前で動揺していました」(君塚さん)

 昭和を彩った名作に登場した名ゼリフを紹介しよう。

●「阿修羅だねぇ。女は阿修羅だよ。 勝ち目はないよ。男は」『阿修羅のごとく』(NHK)1979年 脚本:向田邦子

4姉妹の次女・巻子(八千草薫)から浮気を疑われている夫・鷹男(緒形拳)がつぶやいた一言。

●「小雪さんを一生幸せにします」(岡本信人のチョイス)『ありがとう』(TBS系)

 第2シリーズで三男・鉄之介(岡本信人)が贈った一世一代のプロポーズ。「この役で唯一の男らしいセリフで(笑い)、公私ともに初めて口にする言葉だったため、すごく緊張したことを覚えています」(岡本さん)

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