国内

団塊総理不在の謎 若き日の挫折と論争好きな気質が要因か

菅義偉首相(Reuters/AFLO)

団塊世代として始めて総理になった菅氏(写真/Reuters/AFLO)

 第99代総理大臣に就任した菅義偉氏は昭和23年(1948年)12月6日生まれの「団塊の世代」である。

 団塊の世代とは、第二次大戦直後の昭和22年(1947年)から昭和24年(1949年)に生まれた人々のことを指す。日本の歴史上最多の毎年260万人以上が生まれ、「金の卵」と呼ばれた集団就職を経験、若い頃から時代の流行・世相を担い、経済成長を遂げた戦後の日本を作ってきた。そして今では超高齢化社会の中心となっている。

 だが、団塊の世代が政治の世界において存在感が薄いことはあまり知られていない。

 別掲の表1をご覧いただきたい。これはここ30年余りの自民党総裁を誕生日順に並べたリストである。宮澤喜一から昭和20年生まれの谷垣禎一まで順に戦前生まれの人間が総裁の椅子に座っていくが、その次は10年ほど飛び、昭和29年生まれの安倍晋三となる。この“空白の10年”こそが、菅首相を含む団塊の世代を中心とした世代だ。

 団塊の世代が60代という政治家として最も脂が乗った時期、平成20年代は、ちょうど民主党政権(平成21年~24年)および安倍長期政権(平成24年~令和2年)と重なっている。

 民主党時代には鳩山由紀夫(昭和22年生まれ)という“団塊総理”が一応誕生しているので、他の自民党の団塊世代議員はそのワリを食ったという見方もできるかもしれない。しかし、それなら総裁候補くらいにはなってもおかしくはないのだが、総裁選に出馬した候補にも団塊の世代は1人もいなかった。自民党のトップ争いにさえ関わっていないのである。

 別掲表2は、団塊の世代の現役国会議員リストである。昭和23年生まれで同じ団塊の世代の1人である政治アナリスト・伊藤惇夫氏が話す。

「閨閥のある人が少なく、叩き上げの地方議員出身者が多い印象です。戦争で戦前からの名門が途絶えるケースが多かったからかもしれません。正直、大物感のある人がいませんね」

関連記事

トピックス

米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
女性初の自民党総裁に就いた高市早苗氏(時事通信フォト)
《高市早苗氏、自民党総裁選での逆転劇》麻生氏の心変わりの理由は“党員票”と舛添要一氏が指摘「党員の意見を最優先することがもっとも無難で納得できる理由になる」 
女性セブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン