芸能

「土曜の夜」を弘中綾香アナに託したテレビ朝日の勝算

弘中綾香アナは現在、引っ張りだこ(写真/ロケットパンチ)

 この秋、テレビ各局がさまざまな番組改編を行っているが、大胆な編成を行ったのがテレビ朝日だ。10月から「土曜の夜」に同局の看板アナである弘中綾香アナ(29才)メインの30分番組を連続して放送しているのだ。その狙いと勝算とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 今秋、テレビ朝日が「土日夜の22時台に30分番組を2本並べる」という大胆な番組編成を行いました。

 日曜は『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』『テレビ千鳥』という「人気芸人の冠番組をリレーする」という王道の編成であるのに対して、土曜はアグレッシブ。『あざとくて何が悪いの?』『ノブナカなんなん?』を編成し、「自局の弘中綾香アナがメインの番組を2つ続ける」という前代未聞の戦略を採用したのです。

 そもそもプライムタイム(19~23時)には、ほとんど30分番組がない上に、土曜夜という重要な時間帯に自局のアナウンサーを連続起用するのですから、「いかにテレビ朝日が弘中アナ頼みであるか」がわかるのではないでしょうか。10月10日のスタートからすでに3回が放送され、「どんな狙いや効果があるのか」が少しずつ明らかになってきました。

トップ級のフリートークで若年層を開拓

 テレビ朝日が弘中アナを連続起用する最大の目的は、若年層の開拓。視聴率調査がリニューアルした今春以降、民放他局が「若年層に向けた番組作り」を宣言して進めています。

一方、「他局より視聴年齢層が高い」と言われ続けてきたテレビ朝日にとっても、広告収入を確保するためにこの流れは無視できず、同局の編成担当は今秋から「土日の22時台は若年層に楽しんでいただけるコンテンツを届ける」ことを明言しました。30分という短くて見やすい放送時間がその戦略変更を象徴しています。

 そんな若年層開拓のメインキャストとして白羽の矢が立ったのが弘中アナ。『あざとくて何が悪いの?』『ノブナカなんなん?』は、ともに今秋までは不定期特番として放送されていましたが、その内容は前者が弘中アナと田中みな実さん、後者が弘中アナと千鳥・ノブさんの「鋭いコメントで視聴者を引きつけるタイプの番組」という共通点があります。

 その点、弘中アナは昨年の「好きな女性アナウンサーランキング」1位に輝いた人気に加えて、フリートークの力は「バラドルのトップクラス級」という好評価。さらに、2番組並べてわかりやすく「弘中綾香アワー」にすることで、その人気とフリートークの力を際立たせることができます。

 また、他局の裏番組に目を向けると土曜22時台は、日本テレビが連ドラの『土曜ドラマ』(54分)、TBSが報道・情報番組の『新・情報7DAYSニュースキャスター』(84分)、フジテレビが映画やバラエティの特番枠『土曜プレミアム』(130分)と、気軽に見られる若年層向けのバラエティ番組がありません。だからこそ30分番組でYouTube動画のようなハイテンポのトークができる弘中アナは打ってつけの存在なのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト