浮気の言い訳の十八番である「出張」や「職場の飲み会」が使えなくなった今、調査会社に持ち込まれるのは、家庭での様子や入念な下調べを経た“ほぼクロ”な案件が増えている。そのため、後々の「証拠固め」を目的とした依頼が多いという。
10月23日に放送が始まったドラマ『恋する母たち』(TBS系)では、高校生の子を持つ3人の母をめぐる恋愛事情が描かれているが、前出の調査会社代表は「現実でもドラマ顔負けの不倫が繰り広げられています」と話す。今回調査を依頼した50代のサラリーマン男性にもドラマ同様、高校生の息子がいるという。
「依頼主によると、奥さんが月に何度か、お子さんよりも帰宅が遅くなる日があったことが疑うきっかけだったそうです。スマホでLINEを操作する時間が長くなり、服装や化粧も以前より華やかになってきた。このご時世に“ママ友との女子会”が増えたのも怪しく感じたそうです」(同前)
調査を始める前には、必ず依頼主と面談を行なう。
「まず調査の目的を明確にします。不貞行為の有無を調べるだけなのか、さらに踏み込んで相手の素性を特定する必要があるか。今回の依頼主は離婚するかは決めていないが、とにかく浮気の事実をはっきりさせたいとのことでした。できることならば、相手が誰なのかも知りたいとご希望でした」(同前)
調査対象となる妻の顔写真に加え、勤務先や自宅住所、身長・体重、普段の行動パターンや移動手段、運転免許の有無などを細かく聞き取る。
「コロナ禍では待ち合わせ後、そのまま近くのホテルか相手の家に直行するケースばかりです。対象者の行動を予測して立ち寄る場所に先回りすることを『筋読み』と呼んでいますが、最近は近場での逢瀬ばかりなので、追いかけるのは楽になっていますね」(同前)
調査にかかる「費用」も安くあがる。代表が続ける。
「弊社では経費込みの基本料金が1時間2万8000円で、徒歩の調査員と車かバイクの調査員が1人ずつの2人態勢が基本です。調査員を1人追加するごとにプラス1万2000円。出張先での調査には調査員を増やして臨むことが多いですが、コロナ禍では自宅や職場から近い日帰りでの調査がメインで、基本の2人態勢がほとんどです」
※週刊ポスト2020年11月6・13日号