それもそのはず、『ザ・ベストテン』で近寄らなくても、『ヤンヤン歌うスタジオ』(テレビ東京系)などで一緒にコントを演じたり、『レッツゴーヤング』(NHK)で共に司会を務めたりしていた。また、他の番組のテレビ欄では〈田原、聖子恋人役!?〉(1980年12月18日『たのきん全力投球!』TBS系)などと記載されており、『ザ・ベストテン』で横並びにしなくても意味がなかった。

 ちなみに、1981年3月5日から3週連続で“ハイポーズ写真”で松田聖子と郷ひろみは隣に座っている。この2か月後の5月下旬に、2人の関係がワイドショーやスポーツ紙で取り上げられた。対象は違ったが、アイドル同士が“ハイポーズ写真”“新聞のテレビ欄”で横に並ぶことを訝しがるファンの勘はある意味、当たっていた……のかどうか。

『ザ・ベストテン』で田原俊彦と松田聖子の同時ランクインは、1980年8月14日から1988年10月13日まで計163回ある。“ハイポーズ写真”で隣同士になったのは11回、“新聞のテレビ欄”で横に並んだのは23回(1982年12月30日〈トシ・聖子仲良しテニス〉、1983年7月14日〈俊 聖子と華麗なる競演〉含む)。ともに最後は1984年12月13日で、2つ同時は4回しかなかった。

 そのうちの1回である1980年8月14日分が再放送される。今から40年前、『ザ・ベストテン』の盛り上がりを堪能したい。

■文/岡野誠:ライター、松木安太郎研究家。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)では〈『ザ・ベストテン』の時代〉という章も設け、巻末資料で公式本にも載っていない年別ランキングデータを収録。また、田原の1982年、1988年の全出演番組(計534本)の視聴率やテレビ欄の文言、番組内容なども掲載している。

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