国内

早稲田大に志願者離れの懸念 まるで国公立のような入試に

入試改革に積極的な早稲田大学(時事通信フォト)

入試改革に積極的な早稲田大学(時事通信フォト)

 今年度から大学入試改革が行われるが、それよりも来年入試に大きな影響を与えたのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。

 今年まで実施されたセンター試験は2回実施だったが、来年から始まるセンター試験の後継の共通テストは第一日程、第二日程、特例追試の3回実施になった。コロナ禍によって、高校などが3か月近く休業していたこともあって学業遅れが生じ、その生徒の救済のために第二日程が設けられたのだ。

共通テスト志願者「浪人生大幅減」の背景

 すでに共通テストの出願は締め切られている。出願期間終了後の志願者総数は53万5244人で、昨年のセンター試験と比べると2万2455人、4.0%減だった。この減少はセンター試験時代を含めて過去最大の減少だ。

センター試験に代わり行われる大学入試共通テスト出願書類の開封作業(時事通信フォト)

センター試験に代わり行われる大学入試共通テスト出願書類の開封作業(時事通信フォト)

 内訳を見てみると、現役生はマイナス2446人で0.5%減、浪人生はマイナス2万9人で19.0%減。現役生は少子化の影響での減少とみられるが、浪人生が大きく減少している。2021年度からの大学入試改革を警戒し、2020年度中に合格を勝ち取った受験生が多かったために、浪人生自体が減少したと見られる。

 文部科学省が7月、高校生にどの日程の共通テストを受けるかの意向調査を行ったところ、第一日程は43万1000人、第二日程は3万2000人が受検すると表明。約1割が第二日程を受ける予定だった。

 しかし、ふたを開けてみると、第一日程志願者は53万1118人に対し、第二日程の志願者はわずか789人だった。第二日程志望者の割合は全体の0.1%に過ぎず、結局は元のスケジュール通りで支障はなかったということになる。

 大学入試改革の目玉だった共通テストでは、民間英語試験の成績活用、数学と国語の記述式問題の出題などが目玉だった。各大学ともこの成績を活用し、入試が大きく変わるはずだった。しかし、この二つは昨年暮れに実施が見送られ、結果的にセンター試験とほとんど変わらなくなった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

創価学会の「自民党離れ」は今年4月の衆院島根1区補選でも
【自公連立終焉へ】公明党の支持母体・創価学会の「自民党離れ」が進む 岸田首相の「解散やるやる詐欺」に翻弄され“選挙協力”は風前の灯火
週刊ポスト
殺人を犯すようには見えなかったという十枝内容疑者(Facebookより)
【青森密閉殺人】「俺の人生は終わった」残忍な犯行後にキャバクラに来店した主犯格の社長、女性キャストが感じた恐怖「怒ったり、喜んだり感情の起伏が…」近所で除雪手伝いの裏の顔
NEWSポストセブン
亡くなったことがわかったシャニさん(本人のSNSより)
《ボーイフレンドも毒牙に…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の死亡が確認「男女見境ない」暴力の地獄絵図
NEWSポストセブン
長男・正吾の応援に来た清原和博氏
清原和博氏、慶大野球部の長男をネット裏で応援でも“ファン対応なし” 息子にとって雑音にならないように…の親心か
週刊ポスト
殺害された谷名さんの息子Aさん
【青森密閉殺人】手足縛りプラスチック容器に閉じ込め生きたまま放置…被害者息子が声を絞り出す監禁の瞬間「シングルで育ててくれた大切な父でした」
NEWSポストセブン
竹内涼真と
「めちゃくちゃつまんない」「10万円払わせた」エスカレートする私生活暴露に竹内涼真が戦々恐々か 妹・たけうちほのかがバラエティーで活躍中
女性セブン
史上最速Vを決めた大の里(時事通信フォト)
史上最速V・大の里に問われる真価 日体大OBに囲まれた二所ノ関部屋で実力を伸ばすも、大先輩・中村親方が独立後“重し”が消えた時にどうなるか
NEWSポストセブン
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト