数学必須で早稲田・政経学部は志願者大幅減も?
ただ、この改革にあわせて、私立大で入試改革を実施する大手大学も出てきた。その1校が早稲田大学だ。
政治経済、国際教養、スポーツ科学の3学部の一般選抜で、共通テストを受けていないと受験できない方式になった。つまり来年から国公立大のような入試になる。
特に私立文系の最難関といわれる政治経済学部は、共通テストの成績(英語、国語、数学I・A、選択科目の4教科4科目)と大学独自試験の成績で合否判定する方式を導入する。
注目は共通テストでは数学が課されることだ。オーソドックスな英語、国語、地歴の私立大3教科型の受験生が受けられなくなる。数学を課すのは入学後、数学が必須科目になっているため、入試で課すことになったという。AIの発達、ビッグデータの活用など、数学の力は文系、理系に関係なく今後、求められていきそうだ。
ただ、有名大の文系学部の入試で、数学を必須にするのは画期的なことだ。かつては慶應義塾大学などで必須にしていたが、今は大手大学で一部の方式を除いて実施しているところはない。文系学部では数学は選択科目が定番だ。多くの受験生は「数学が苦手」を理由に文系を選んでいる。
もちろん、国公立大文系志望者には関係ないので、この改革によって難関国立大文系の併願者は受けやすくなる。それでも大学独自試験対策が必要なため、早稲田の政治経済学部の志願者はどうなるかは不透明だ。最悪の場合は、今年の入試で数学を選択した4割程度にまで減る可能性もある。
他にも共通テストの成績だけで合否を決める方式を実施する。また、国際教養学部は共通テスト2科目と大学独自の英語の試験と共通テストのみの試験、スポーツ科学部は共通テスト3方式で合否を判定する。この他でも商学部は併願できないが1方式だった試験を3方式で実施する。
このように早稲田大は入試改革に積極的だ。特に来年入試では共通テストの重みが増していくことになる。
また、コロナ禍によって2月の入試で新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者になったりしたら入試を受けることはできない。文科省はその受験生が不利にならないよう3月に追試を実施することを推奨している。東大も追試を実施予定だが、早稲田大の追試は全学部、共通テストの成績で合否を判定するとしている。