エイベックスやセガサミーも希望退職募集
消滅する企業が増えているのも気がかりだ。
東京商工リサーチの「2020年1─8月 休廃業・解散企業動向調査」(速報値)によると、今年1─8月の倒産件数は5457件で昨年同期に比べて0.2%減と抑制されているが、同時期に休廃業・解散した企業は3万5816件で前年同期比23.9%増と、大幅に増えているのだ。
倒産の場合には事業が継承されるケースがあるが、休廃業・解散は市場からの撤退・消滅である。同レポートは「大廃業時代」が現実味を帯びてきたと指摘。2020年の倒産件数は年間8000~1万件、休廃業・倒産を含めると、〈市場から撤退する企業は2018年の5万4959件を更新し、初めて6万件を超える事態も想定される〉と警告している。
若手社員も早期退職募集の対象に
苦境に立たされているのは大企業も例外ではない。早期・希望退職を募集する企業が続出しているのだ。
東京商工リサーチのまとめによると、11月5日現在で募集企業は74社となった。最多は日立金属の1030人(2021年3月期と2022年3月期)、次いでレオパレス21の1000人、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス900人、ファミリーマート800人(応募1025人)などとなっている。
最近では、音楽関連の事業を手掛けるエイベックスが11月5日に、初の希望退職募集(100人)を発表して話題になった。
11月6日には、セガサミーホールディングスもグループ7社で650人の希望退職者募集を発表した。7社のうちセガサミーHDは一般社員は35歳以上(部長を除く管理職は45歳以上)と、募集対象が低年齢化しているのが際立っている。
東京商工リサーチによると、実施企業の半数以上は直近通期で赤字を計上、「赤字リストラ」が再び増加している。また、一刻も早い人件費削減を迫られる局面にある一部企業では対象年齢を30代や20代まで下げているというから、雇用最前線はかなり危機的な状況だ。早期・希望退職募集の総募集人数は約1万5000人となっている。