ボーナス大幅減、住宅ローン危機も追い打ち

 サラリーマンにとっては、この冬のボーナス減が痛い。東証1部上場企業の全産業平均額は約74万円で前年同期比3.2%減。それでも70万円ももらえる人たちは恵まれている。JTBは冬ボーナスがゼロ。大丸松坂屋は前年比5割減である。ANAは冬ボーナスゼロ、基本給引き下げを労働組合に提案した。大幅減であっても、もらえるだけマシという状況だ。

 そこでささやかれているのが住宅ローン危機だ。12月のボーナス払いが払えず、滞納が始まり、やがては手放さざるを得なくなる状況に陥る。そんな悪夢が待ち構えているかもしれない。

コロナ禍の今年はボーナスをもらえるだけ恵まれている(時事通信フォト)

コロナ禍の今年はボーナスをもらえるだけ恵まれている(時事通信フォト)

 政府はGO TOトラベルの期間延長を検討するとか言っているが、特定の業界を対象にした救済策を行っている場合ではないはず。そもそも不況の引き金となった昨年秋の消費税増税を見直し、引き下げや廃止を求める声も多い。

「このままでは年を越せない」という庶民の悲痛な声に、政治はどう向き合うのか。自殺者は7月から4か月連続で前年比を上回っている。師走から年末にかけ、閉塞感、絶望感にうちひしがれる人々の増加が懸念される。

 来年度予算の見直しも含め、雇用と国民生活を守る政策を打ち出さないと日本は「雇用崩壊」が現実となり、出口が見えない衰退のトンネルに入ることになってしまう。

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