望美は事故以前に片思いをしていた同級生の広瀬結人(坂口健太郎)に再会、恋に落ちてしまう。姿は結人と同級生でも精神年齢が全く追いつかず、しかも母親に恋愛を反対されてしまい、思い悩む。確か初回の放送で、自分に生理が来たことに驚いてショックを受けるシーンもあった。
このまま彼女の精神が成長するまで、このアンバランスは続く。その状況に望美は耐えられるのだろうかと思うと、この先の展開が全く読めない。『アルジャーノンに花束を』はチャーリィが自分の知的障害に気づいて、施設へいくことを選ぶ悲しい結末だった。ひょっとしたら……と思いを巡らせてしまう。
人気脚本家・遊川和彦が紡いでいく、少女の成長とは?
たった一作品から様々な妄想をかき立てているのが、人気脚本家の遊川和彦さんだ。彼が『家政婦のミタ』(2011年、日本テレビ系)など数々の作品を手掛けてきたことは、世間でも広く知られている。
いつも思わぬところから物語が始まり、中盤を過ぎた頃に涙が溢れてくるような感動を提供してくれる。あくまで私見だけれど、今までも散々泣かされてきた。
彼が直近で手掛けた脚本に『同期のサクラ』(2019年、日本テレビ系)がある。故郷に橋をかけることを夢見て、ゼネコンに入社した北野サクラ(高畑充希)。正直すぎる性格が影響して、夢にはなかなか到達せず、交通事故によって昏睡状態に陥り、目覚めるのだ。ただ眠っている間に同期たちは成長していて、サクラが入り込む余地がなくなり、戸惑う。
この部分が『35歳の少女』を彷彿させた。第6話(11月14日放送予定)で、望希は結人と暮らすことになる。おそらく何かとまた問題が勃発することになりそうだし、その伏線? と思わせる台詞が第5話で見られた。結人は望美に、男女がつき合うということにはセックスの問題がつきまとうことを口にしている。望美の妹の愛美(橋本愛)からは「(元彼に)セックス中に他の女の名前を呼ばれたことはあるけど……」という台詞も。これが現在の精神年齢が15歳前後の望美へ、どんな風に響いていくのだろうか。