撮影/川島小鳥
--ここから、最近求められているヒロイン像について話が及んだ。
米代:最近のヒロインは、かっこいい人が増えたなって感じがします。『進撃の巨人』のミカサ*2とかもそうだし……。
【*2】 クールで戦闘力が高いため、「強すぎるヤンデレヒロイン」や「ヒーロー」などと称される
宇垣:たしかに。今までのヒロインって、どうしても添え物であり、暗黙たる色気であり、弱点でありっていう生き物だったと思うのですが、そもそも女性は人間なので、自己主張の強いヒロインが増えてこないとおかしいですよね。たとえ男性であったとしても、誰かの駒であるヒロインはもうウケないと思います。
米代:あと、単純に、宇垣さんのおっしゃっているような従来のヒロインにみんな飽きている部分はあると思います(笑い)。だから、目新しさを表現しようって考えるときに、旧来の男女の役割が逆になっている……例えば女の人が強いとか、そういったヒロインにならざるを得ない部分があるのかもしれないですね。
宇垣:女性がちゃんとエンタメを享受する側になったことも要因かもしれませんよね。漫画でもアニメでも映画でも、女性も納得しなければ売れないという現実があるので。描かれるヒロインが以前とはかなり変化しているのもまた、従来のヒロインへの“飽き”があるということを表しているのだと思います。
とにもかくにも米代さんにお願いしたいのは、ぶっとんだヒロインの日和がどうするのか、どうなるのか、早く続きを読ませてください!ということです(笑い)。
米代:これからも見たことのない新しいヒロインを描いていけるよう頑張ります(笑い)!
構成/辻本幸路
◇宇垣美里
うがき・みさと。1991年生まれ。フリーアナウンサー。2014年4月にTBSに入社し、アナウンサーとして数々の番組に出演。2019年3月にTBSを退社し、同年4月よりオスカープロモーションに所属。現在はテレビや雑誌、CM出演、ラジオパーソナリティの他、執筆業も行うなど幅広く活躍中。
◇米代恭
よねしろ・きょう。1992年生まれ。漫画家。2012年にアフタヌーン四季賞佳作「いつかあの子」でデビュー。著書に『あげくの果てのカノン』『僕は犬』『おとこのことおんなのこ』など。現在、『往生際の意味を知れ!』は最新刊第2集が発売中。同作連載媒体の『週刊ビッグコミックスピリッツ』51号(11月16日発売)には、宇垣さんとのロングインタビューが掲載されている。
『往生際の意味を知れ!』
主人公・市松海路(いちまつかいろ)の前に、7年前に失踪した元カノジョ・日下部日和(くさかべひより)がある日突然、現れた。恋い焦がれ、待ち望みすぎて、元カノ教の敬虔な信徒と化していた市松だったが、彼女の無理難題な要求が明かされて……。『あげくの果てのカノン』米代恭が新時代を切り開く、新しいアンモラル…!? 深呼吸必至の元カノ×元カレ“やり直し”ラブストーリー!!!