11月21日からの日本シリーズは、セ・リーグを2連覇した巨人と、パ・リーグで3年ぶりの優勝を果たしクライマックスシリーズ(以下、CS)でロッテを破ったソフトバンクが2年連続で対決する。昨年はソフトバンクが、4勝0敗で日本一に輝いた。CSを連勝で勝ち上がって勢いに乗るソフトバンクに対して、巨人は10月を10勝14敗3分、11月を3勝4敗1分と2か月連続負け越しのまま、シリーズに臨むことになる。野球担当記者が話す。
「今年も下馬評では、ソフトバンクが優位という声が大勢を占めています。巨人はエースの菅野智之で2つ勝ったとしても、残りの2勝をどう奪うか。さらに、リリーフ陣が不安な今、菅野には完投してほしいところでしょう。2か月連続負け越しも、リリーフ陣が打たれて終盤に逆転されるケースが目立ちました」(以下同)
DeNAとのシーズン最終戦、菅野は5回無失点被安打1でマウンドを降りたが、今年、抑えを任されてきたデラロサが8回に登板して1失点。9回には、シーズン途中に先発からリリーフに回った田口麗斗がマウンドに上がったが、神里和毅に逆転サヨナラタイムリーを浴び、菅野の15勝目が消えた。救援陣の月間防御率を見ると、6月から9月までは2~3点台だったが、10月は4.38、11月は5.47と悪化。11月5日の広島戦では延長10回に田口がサヨナラ負けを許し、8日のヤクルト戦では8回に田中豊樹が捕まった。
「防御率1.00のセットアッパーである中川皓太の離脱が痛いですね。左脇腹痛で10月9日に登録を抹消されてから、巨人は9勝16敗4分と失速しました。デラロサも最近5試合の登板中3試合で失点しており、そのうち2試合は回の途中で降板。9回を任せるには不安がある。だからといって、中川が日本シリーズに間に合ったとしても、いきなり抑えにするのは心許ない。最終回を預けられるかどうかのテストとして、田口が11月に最後のマウンドを任される試合もありましたが、2度サヨナラ負けを喫した。日本シリーズに向かうにあたって、抑えすら流動的な状態です」
日本シリーズの先発はエースの菅野に加え、9勝の戸郷翔征、8勝のサンチェス、5勝の今村信貴、4勝の畠世周の名前が上がっている。一方で宮本和知投手コーチは、戸郷や畠を中継ぎに回すことも示唆している。