昭和を代表する懐かしい曲ばかりを収めた宮本浩次(54才)のカバーアルバム『ROMANCE』が11月18日にリリースされた。『あなた』『異邦人』『ジョニィへの伝言』『ロマンス』『赤いスイートピー』『木綿のハンカチーフ』などの鉄板ソングがズラリ。歌詞を大切に、そして七色のボイスを巧みに使い分けて歌う宮本ワールドを堪能できて感動しきりだ。
「そう言ってもらえるとうれしいな。自分で言うのもなんですが、本当にいいカバーアルバムができたと思っています。一曲一曲を大切に、魂を込めて歌い上げた、なんて言うと手前味噌な感じに受け取る人もいるかもしれないけど、そういう意味じゃなくて、誰にとっても思い出の詰まった大切な歌ばかりだと思うので、心を込めて歌ってます。きっとみなさんに喜んでもらえるはずだと」(宮本・以下同)
開口一番、身振り、手振りを交えて早口で一気に語る。その一生懸命な姿が印象的だ。
ライブもイベントも中止に。でも、自粛中は忙しかった
宮本は現在54才。日本を代表するロックバンド『エレファントカシマシ』のボーカルとして走り続けてきた。そんな彼がなぜ、いまカバーアルバムを作ったのか? その理由を知るには、少し前に時計の針を戻す必要がある。2017年にデビュー30周年を迎えた彼は、47都道府県でコンサートツアーを行い、NHK紅白歌合戦に初出場するなど華やかな一年を送った。
「30周年はバンドにとって大きな節目でした。と同時に、私個人としてはひとつの区切りでもありました。これを機にソロ活動を開始したいと考えていたのですが、まさに計ったようなタイミングで、椎名林檎さん、東京スカパラダイスオーケストラというトップミュージシャンからコラボレーションの誘いを受けた。ソロとして、これ以上望めないというほど幸先のよい一歩を踏み出すことができたのです」(宮本・以下同)
その後も、ドラマの主題歌を3曲、自身も出演したCMソングを3曲、映画の主題歌やドキュメンタリー番組の主題歌を手掛けたほか、高橋一生に楽曲を提供するなど、獅子奮迅の活躍を見せ、そのすべてが収録されたファースト・ソロアルバム『宮本、独歩。』が3月4日に発売に!
と、この先も盛り上がりを見せるはずだった。だが、周知のように新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年のイベントやライブが次々に延期や中止となってしまう。
「3月から4月にかけての初のソロライブを私も楽しみにしていましたが、結局、全公演が中止になってしまいました。といって四の五の言っても始まらないですし、苦しいのは自分だけではないですから……」