国際情報

中国寄りとされる台湾のテレビ局 免許更新できずに閉鎖へ

親中派テレビ局が閉鎖される背景とは

親中派テレビ局が閉鎖される背景とは

 台湾で放送や通信行政をつかさどる国家通信伝播委員会(NCC)は、親中派として知られるテレビのニュース専門チャンネル「中天新聞台」(以下、中天)について、放送事業免許を更新しないことを決定。同チャンネルは12月11日の放送を最後に閉鎖される見通しだ。

 NCCが報道専門チャンネルの再免許を認めなかったのは初めて。中天は十分な事実確認を怠り、視聴者に誤解を与える報道を繰り返したことなどから、20回以上の行政処分を受けている。

 これについて、中天はFacebook上で「台湾で戒厳令が解除されて以降、報道や言論の自由が最も暗黒な1日となった」「政治的な裁きだ」などと反発したほか、ネット上でも「蔡英文政権が批判している中国共産党による言論弾圧と同じだ」との批判も掲載されている。台湾メディアが報じた。

 中天は中国寄りとされる「旺旺中時メディアグループ(旺中集団)」傘下にあるケーブルテレビ局で、6年間の放送免許終了時期が12月11日に迫っていた。

 中天は2018年の高雄市長選の際、対中融和路線を打ち出す韓国瑜候補(野党・国民党)に関する内容が9割を超えていたことなどが指摘されており、過去6年間に計1153万台湾元(約4200万円)の課徴金支払いを命じられていた。

 NCC側は10月末、放送免許更新の審査に当たって、異例の公聴会を開催した。NCCの陳耀祥・主任委員は11月中旬、今回の決定について記者会見で、「公聴会の委員7人による全会一致で下された決定だ。いかなる政治介入もない。報道機関として内部の管理体制に大きな問題があり、中天は報道内容について改善の見込みがないと判断した」と説明した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン