芸能

渡部建の会見が「殺伐」とした理由に芸能リポーターの事情も

渡部建の謝罪会見を見た若い世代は何を思ったか?(時事通信フォト)

芸能リポーターが集結(時事通信フォト)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は不倫騒動に関する渡部建(48才)の会見で注目を集めた芸能リポーターについて。

 * * *
「素早く」「時間や質問に制限をかけず」「囲みで」。タレントが謝罪会見を行う場合は、この3条件が揃わなければ「成功」することはないと何度も書いてきた。

 アンジャッシュ渡部建の会見が後半、特にグダグダになった理由は、タイミングが「遅すぎた」上、渡部側のメインテーマが「謝罪」だったのに対し、聞く側のメインは「ガキ使」=「仕事復帰」だったからだ。

 そして今回、私がもっとも気になっているのが「渡部も悪いがリポーターも悪い」という世間の論調である。一般の方もそうだが、ワイドショーのMCやコメンテーターからも同じことが言われているのだ。

 いま、「芸能リポーター」がどういう状況に置かれているのか、説明したいと思う。

平均年齢が上がり人数も激減

 まずは人数と平均年齢だ。いま「芸能リポーター」と名乗っている人は私が知る限り、男女含めて10名ほど。その大半が60歳代で、若く見える駒井千佳子氏も55歳、際立って若い菊池真由子氏が44歳。その下はないし、出てくる気配もないのである。

『バイキングMORE』(フジテレビ系)で土田晃之が「渡部会見」を「昭和」と言っていたが、仕方があるまい。芸能リポーターは全員、昭和生まれであり、「平成」や「令和」の空気が入ってくる環境にもないのである。

 在京局のワイドショーに複数人いる「芸能デスク」と呼ばれる人たちもバリバリの「昭和」だということも関係しているだろう。ちなみに彼らは芸能プロダクション幹部や宣伝担当と日々連絡をとりあっているせいか、いまや「芸能サポーター」と呼ばれることも多いリポーター陣よりプロダクション寄りな人もいる。

 高齢化著しい“芸能ムラ”に反し、ワイドショーの現場スタッフの年齢はどんどん若返っているし、MCやコメンテーターの平均年齢も同様である。高額ギャラも無関係ではないが、安藤優子氏がいなくなり、森本毅郎氏や小倉智昭氏も…と言われているのは、「重鎮相手ではやりづらい」という現場の事情も見え隠れしている。

大半が実は番組ディレクター

 よって、「昭和」の香りただよう昔ながらの「芸能コーナー」を常設するワイドショーはどんどん減っていき、在京局制作では8時までの『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)が定刻で少しあるぐらい。『めざましテレビ』(フジテレビ系)や『ZIP!』(日本テレビ系)? あれは「芸能コーナー」ではなく「エンタメコーナー」だ。

 その内容は(いまはコロナ禍で激減しているが)、タレントが登壇するイベントや、映画・舞台などの制作発表会見や初日舞台挨拶、新曲のリリース情報など。実は現場でマイクを持つのは番組ディレクターが大半となり久しいのである。いまではタレントから顔を覚えられていたり、どんどん喋りが達者になったりしている人もいる。タレントからしてみたら、今となってはリポーターもディレクターも大して変わりはないのかもしれない。

 某事務所のように、「それでは格好がつかない」ということなのか、必ず女性リポーターをタレントの両サイドにつけるところもある。だからと言って事務所から“日当”が発生するワケではないと聞いた。

 だが、そんな現場でも、局アナが来てしまったら、リポーターは弾かれてしまう。プロダクションとしても局アナをありがたがる傾向にあるように私にはみえる。元・日本テレビの青木源太アナはその最たる存在であり、もちろん、日テレのみだったが、オンエアで使われるのは青木アナとタレントがワチャワチャと絡む部分。さらに、「青木アナなら」と「個別取材」の場がスンナリ設けられたものだ。しかし「芸能リポーター」の立場で、そのようなことになるケースを見たことがなかった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン