国内

ふるさと納税を生んだ元官僚・高橋洋一 菅義偉を操る面々

『週刊ポスト』ではNHKの「受信料半額」を提言した高橋洋一氏(時事通信フォト)

高橋洋一氏は元財務官僚(時事通信フォト)

 年末の申し込み期限に向けて申請が増える「ふるさと納税」。菅義偉首相はことあるごとに自らが発案者であると胸を張り、反対する官僚たちに「ぜったいにやるぞ」と啖呵を切ったと、自著『政治家の覚悟』で明かしている。だが、この政策はもともと、元官僚の発案だった。ノンフィクション作家の森功氏がレポートする。(文中敬称略)

 * * *
 ふるさと納税自慢はもはや聞き飽きたという人も少なくないだろう。高額返礼品や金持ち優遇への批判も巻き起こった。が、当人はどこ吹く風。今なお怪気炎を上げる。

「近い将来、(年間寄付総額)1兆円を目指す」

 ふるさと納税は第一次安倍晋三政権の2007年6月、総務大臣だった菅義偉が、「地方創生」の旗印を掲げて打ち出した。都市部の住民が地方自治体へ寄付してふるさとを応援する、と謳っている。もっとも、2000円の自己負担を除き、寄付金のほぼ全額が従来納税している自治体や国から戻ってくる。単なる税の移動制度であり、おまけにそこへ豪華な返礼品がついてくる。まるで高級なカニや牛肉を2000円で手にするネット通販のような感覚で、ブームになった。

 地方活性化を謳いながら、政策をよくよく見ると、制度そのものが富裕層に有利な税体系になってきた。金持ち優遇批判が絶えない所以だ。

 当人が自慢するそのふるさと納税は、独自に編み出した政策ではない。元をたどれば、福井県知事の西川一誠による発案で、そこに総務大臣として初入閣した菅が飛びついたわけだ。が、実は西川の直伝でもない。

「菅さんにふるさと納税を授けたのは、元財務官僚の高橋洋一さん(65)でしょう。全国自治会で西川さんがふるさと納税について発言し、2006年に日経新聞の『経済教室』に西川さんが書いた。それを見つけた高橋さんが菅さんに提案したはずです」

関連記事

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
2025年10月23日、盛岡市中心部にあらわれたクマ(岩手日報/共同通信イメージズ)
《千島列島の“白いヒグマ”に見える「熊の特異な生態」》「冬眠」と「交雑繁殖」で寒冷地にも急激な温暖化にも対応済み
NEWSポストセブン
中村雅俊が松田優作との思い出などを振り返る(撮影/塩原 洋)
《中村雅俊が語る“俺たちの時代”》松田優作との共演を振り返る「よく説教され、ライブに来ては『おまえ歌をやめろよ』と言われた」
週刊ポスト
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン