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本人や家族にとって一番良い「看取り」の形を選びたい(写真/GettyImages)

「看取り」を行う医療者や施設をチェックしておこう

 自宅での看取りは本人と家族がともに希望し、訪問医と訪問看護などの医療と、介護サービスなどの介護力が24時間体制で整うことが要件。

「訪問診療医による看取りのよいところは、住み慣れた自宅で療養し、最期を迎えられること。医師は定期的に診察をしながら本人と家族をサポートし、看取りの後、死亡診断書を書くのが役割です。ただ、すべての訪問医が看取りを行っているわけではなく、まだまだ数は少ないのが現状です」

 自宅以外でも、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)では多くの施設が看取りを行っている。また一般の老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの一部も体制を整えているところがあるので、ホームページなどを調べるか、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどに情報を求めるとよい。

「三世代同居が普通だった時代は、看取りはごく当たり前の家族の営みでした。湯灌は主婦の仕事として中学校の教科書にも載っていたとか。いまは病院死が圧倒的に主流ですが、これからの時代は介護施設で血縁ではない他人に看取られるのも普通になるかもしれない。

 ただ、どんな状況下でも、老いて死んでいくという営みは変わりません。私も多くの高齢のかたがたに接して学んだのです。親をはじめ、もっと高齢者に寄り添い、たくさん話をするとよいと思う。それが、私たちが看取られるときの練習になると思います」

【プロフィール】
平野国美さん/ホームオン・クリニックつくば院長。筑波大学卒業後、同大学附属病院や県内の中核病院で地域医療に携わり、訪問診療専門クリニックを開業。訪問診療についての講演などでも活躍中。看取りにまつわる実話をまとめた著書『看取りの医者』(小学館刊)はテレビドラマ化され話題に。

取材・文/斉藤直子

※女性セブン2021年1月1日号

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