橋上氏は野村氏から指導者としての姿勢を学んだという(共同)
もう一人の橋上氏は、ヤクルトと阪神で野村監督の下でプレーし、楽天では監督の下でヘッドコーチを務めた。野村氏からは指導者論を学んだと振り返る。
「野村監督は、『長所は放っておいても伸びるものだ。やるべきは短所を強化すること』と常に言っていましたが、これに関しては時代的な背景がある。今の子どもたちに長所を見つけて伸ばしてやる方があっているように思います。監督は、コーチには具体的に指示するけれど、選手には『こうやれ』とは言わず、あくまで自分で決めさせるやり方でした。『選手は個人事業主だから強制的な指導は避けなければいけない。最終決定は本人がしなければならない』という考えでした。指導のせいで結果が出なかった場合、監督やコーチは責任を取れないだろうというわけです。ヤクルト時代のほうが若くて熱量はあったと思いますが、楽天時代には本質的な部分に触れる言葉が印象的です」
これから球界には、ノムさんの孫弟子がたくさん生まれることだろう。