嵐が今年の12月31日をもって活動休止する。解散ではなく、あくまで“活動休止”であるとはいえ、21年間の活動に区切りをつけるわけなのだから、寂しさを感じるのが本音というファンが大多数のことだろう。ジャニーズ事務所の発表によると、大野智の「2020年を区切りに、ここで一度嵐をたたみ、それぞれの道を歩んでもいいのではないか」という思いをきっかけに、2017年6月頃から話し合いを重ねてきたそうで、今回の決断がけっして軽いものではないことを感じさせる。
嵐の魅力として、“仲の良さ”を挙げるファンは多い。5人でカラオケに行ったり、誕生日プレゼントを贈り合ったり、彼らの仲良しエピソードは枚挙にいとまがない。全てのメンバー同士の組み合わせに“末ズ”(すえず/松本潤と二宮和也)”や“櫻葉”(さくらば/櫻井翔と相葉雅紀)、“じいまご”(大野智と松本潤)のような愛称がつけられて、ファンが関係性を愛でているのも当然のことと言えるかもしれない。
また、音楽面で嵐を評価する人々も少なくない。今年7月にリリースされた『カイト』は、作詞・作曲を米津玄師が担当している。さらに9月にデジタル配信された『Whenever You Call』は、グラミー賞を計11部門受賞している“音楽界の至宝”ブルーノ・マーズが楽曲制作およびプロデュースを手掛けたことで話題になった。
気鋭の評論家やライターが“エンターテイナーとしての嵐”を分析した書籍『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』(サイゾー刊)の中で、音楽評論家の柴那典氏と矢野利裕氏は、「嵐の音楽は、海外のトレンドとお茶の間を繋いでいる」と語り合っていた。EDMにファンク、ビッグバンド・ジャズ……。アイドルだからこそ、嵐はジャンルを自由に横断して、様々なテイストの楽曲を発表してきたと言えそうだ。
キャラクター性でも音楽性でも評価されてきた国民的アイドルグループ・嵐。それぞれ異なる才能を持ったメンバーたちが活動休止後、どのようにソロ活動を行なっていくのか、その詳細はまだ明かされていない。冠番組である『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)や『VS嵐』(フジテレビ系)は年内で終了し、リーダー大野智は芸能活動も休止することが発表されているが、その他のメンバーたちが出演番組を降板するといった情報はない。2021年以降の彼らがどんな道のりを歩むのかは、ファンも一番気になるポイントだろう。