国内

水どう名物D・藤村忠寿氏 コロナ報道で感じた「妙な胸騒ぎ」

渋谷など繁華街の人出増減が連日話題に(撮影/内海裕之)

渋谷など繁華街の人出増減が連日話題に(撮影/内海裕之)

 新型コロナウイルス関連の報道一色だった2020年──。今年ほど繁華街や観光地の「人出映像」が流れた年もないだろう。しかし、そうしたテレビの報道姿勢や意図に疑問を投げかけるのは、北海道HTBの人気ローカル番組『水曜どうでしょう』の生みの親、藤村忠寿チーフディレクターだ。

 * * *
 週末の夜、仕事を終えたサラリーマンや若者たちで賑わう繁華街。天候に恵まれた休日、家族連れやカップルたちの笑顔で溢れる行楽地。テレビから流れるそんな映像は、見る人々の心を弾ませてくれるものでした。

 それが今や「そんなことをしてていいのか」「緩んでる」「自分は我慢しているのに」と多くの人が思ってしまう。「好意」の目で見ていたものが「悪意」の眼差しへと変化する。今年、世の中が一変してしまったことを一番感じる事象でした。

 もちろん、感染症対策のために外出を控えなければならなくなったという社会状況の変化を理解しているうえで、それでも、人々の心のあまりに急激すぎる変わりように、映像に携わる者として妙な胸騒ぎを感じざるを得ないのです。つまりそこには「映像が大きく関与していた」ということです。

 同じ映像であっても、それまでは「楽しそうだね」と見ていたのに、ある時から「けしからん」という怒りの感情を見る者に生み出してしまう。受け取る側の印象をここまで急激に変えてしまったのは、映像を送り出す側の意思が強く作用していると考えられます。

 夜の繁華街を歩く若者、行楽地にいる家族連れ、そんな人々の映像を映し出し、「こんなにも多くの人が町に出ています」というレポートを入れ、そこに映る人々を指して「緩んでますね」とコメントすれば、映っていた人々の個々の事情などお構いなしに、見る人は一様に「けしからん」と眉をひそめることになる。それは当然の流れです。

藤村忠寿氏(北海道赤平市の森に建てた『水曜どうでしょうハウス』前にて)

藤村忠寿氏(北海道赤平市の森に建てた『水曜どうでしょうハウス』前にて)

関連キーワード

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
電撃結婚を発表したカズレーザー(左)と二階堂ふみ
「以前と比べて体重が減少…」電撃結婚のカズレーザー、「野菜嫌い」公言の偏食ぶりに変化 「ペスカタリアン」二階堂ふみの影響で健康的な食生活に様変わりか
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
駒大苫小牧との決勝再試合で力投する早稲田実業の斎藤佑樹投手(2006年/時事通信フォト)
【甲子園・完投エース列伝】早実・斎藤佑樹「甲子園最多記録948球」直後に語った「不思議とそれだけの球数を投げた疲労感はない」、集中力の源は伝統校ならではの校風か
週刊ポスト
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン
反日映画「731」のポスターと、中国黒竜江省ハルビン市郊外の731部隊跡地に設置された石碑(時事通信フォト)
中国で“反日”映画が記録的大ヒット「赤ちゃんを地面に叩きつけ…旧日本軍による残虐行為を殊更に強調」、現地日本人は「何が起こりるかわからない恐怖」
NEWSポストセブン
石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン