これ以上若者に我慢を強いるべきではない
考えてみてください。今年一年、子供を含めた若い世代は、どれほどの我慢を強いられてきたことか。多くの人と接する機会を奪われ、旅をして見聞を広げる機会を失い、友達とワイワイ騒ぐことも許されず、なんなら恋愛のチャンスだって逃したかもしれません。若い彼らのこの一年間の喪失は、上の世代とは比べものにならないぐらい大きかったはずです。
HTBの人気ローカル番組『水曜どうでしょう』生みの親の藤村忠寿氏
2021年は、もっと若い世代のことを考えてあげるべきです。これ以上彼らに我慢を強いて、これ以上彼らが諦めることに慣れてしまっては、彼らは前に進む力を失ってしまいます。
政府は産業を守るために「経済活動との両立」を訴えて試行錯誤を繰り返しています。しかし来年は一歩踏み出して、子供や若者の将来を守るために「行動の自由との両立」を考えていくべきだと思います。
とても難しい問題ですが、少なくともテレビが「若い世代が自由に行動できるように、大人たちができることを考えていきましょう」という姿勢を発信するだけでも、彼らに安心感を与えられると思うのです。
藤村氏(右)とともにYouTubeを配信する嬉野雅道ディレクター(中央)
【プロフィール】
藤村忠寿(ふじむら・ただひさ)/1965年愛知県生まれ。1990年に北海道テレビ(HTB)入社。1996年チーフディレクターとして『水曜どうでしょう』を立ち上げる。2015年、時代劇集団の藤村源五郎一座を旗揚げするなど自ら役者としても活躍するほか、2019年よりYouTube「藤やんうれしーの水曜どうでそうTV」をスタート。『水曜どうでしょう』2020年最新作がHTBを皮切りに全国各地で絶賛放送中。

